コンチネンタルGTスピードの多重人格的世界
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:菊池 貴之
そう考えてチェックしてみると、全部が微妙にハードにスパルタンになっているのがわかる。まずは見た目だ。ボディは基本ノーマルと変わらない。が、フロントグリルは「GTスピード」の恒例でダークティントのメッシュとなり、細かいところではエキゾーストフィニッシャーに細かいスパイラル加工がなされる。
それと珍しいのはフロントサイドに「W12」の筆記体エンブレムが付くこと。いままでこういうスペック的主張はなかったベントレーだけに、実は結構珍しい。
そしてなんと言っても足回りだろう。車高はわずかに1cm低くなったのみ。タイヤも1インチアップして21インチの専用のアルミを履いている。だが、問題はその中身だ。
スペックをざっと聞いて驚いた。スプリングはフロントが45%、リアが33%固められ、リアのアンチロールバーは53%締め上げられ、ゴムブッシュもフロントが62%、リアが70%締め上げられている。厳密に言うとホイールも先代よりもかなり軽くて固い。
もしやちょっとしたレース仕様? と言いたくなるほど締め上げ方で、それでもあの程度の硬さに収まっているからボディ剛性は尋常じゃないが、とにかく本気度が伺える。
ダンパーは可変式で、3段階でコンフォートからスポーツまで変えられるが、後者にすると結構露骨にゴツゴツ感を出してくる。もちろんそれでも十分快適ではあるが。
それと肉眼ではなかなか見れないが、アンダーフロアには専用の整流板が付き、先代GTスピード比で7.5%の空気抵抗減、ノーマル比で8%のダウンフォース増で、可変リアスポイラーは150km/hで上がり、このあたりも非常にマジメ。ストイックですらある。
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