コンチネンタルGTスピードの多重人格的世界
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:菊池 貴之
そもそもGTシリーズは、約10年前の2002年に彗星の如く現れ、既存のフェラーリ、ロールス等3000万円クラスと、メルセデスSクラス等1000万円クラスの間に、見事に新カテゴリーを作り上げた驚異の2000万円カーだ。
秘密はVWグループの力を結集した日本未発売の高級車・フェートンのハイテクプラットフォームと、その上に100年近い歴史を持つ英国の名門「ベントレー」が作り上げた伝統の手作りボディ。それはまさしく理想の配分だった。
単に2000万円カーとして十分なパフォーマンスを持つだけでなく、今までにあり得ない芸術性とハイテク性の融合。言わば最新ハイテクで作り上げた伝統工芸みたいなもの。だからこそベントレーは今や年産1万台規模の超高級ブランドとして君臨しているわけだ。
ただし、それはそれでもしや多少一過性的な存在だったのかもしれない。というのもとにかく質感が高く、ラクチン過ぎたのだ。言ってみれば先代のコンチネンタルGTは「旨すぎる超高級なケーキ」のようなクルマだった。
それはそれで衝撃だったが、正直飽きられる部分があったように思う。フェラーリ、ランボルギーニはカッコよくて速いがどこかスパルタン。どんなに旨い寿司で、ワサビが無ければいい大人は食べ続けられないように、高級車とはそういうものなのだ。実際旧型は新型ほどではないが一番スパルタンな仕様の「GTスピード」が世界でも一番売れていたという。
つまり、2代目コンチネンタルGTシリーズは、今回のGTスピードを持って初めて完成したと思う。よりデザインの一体感、旨みが増したノーマルGTを寿司でいう「トロ」とするならば、さっぱりしたアブラの「サバ」のようなネタがV8モデルで、さらにサビの量やネタの味付けでいかようにも濃厚さが変わるGTスピードが「大トロ」であると。
ちょっと分かりにくいだろうか? が、とにかく、ある種の旨みと渋みが渾然一体となってこそ高級車は永続していく。こういう世界観こそが求められている熟成と幅の広さなのだと思う。
ログインしてコメントを書く
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
やっぱたまらんなV型エンジン!! [スカイラインNISMO]とレクサス[IS500]の[パンチ力]にひれ伏した件
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
胸を打つ「上質な走り」 アウディQ6 e-トロン・クワトロへ試乗 優秀なシャシーを味わえる388ps!
【次期ティアナ?】日産が“美形”セダン「N7」発表。中国でBYDとシャオミの上級モデルに殴り込み
現行型が今も販売好調な「フォレスター」だが、日本のユーザーが選ぶべきは…やはり新型である理由
800万円は高いか安いか!? レトロ風で最新の安全装備充実!ミツオカ創業55周年記念車「M55」発表
【3分でわかるモデル解説】なんとなくMINIがほしいけど、どれを買えばいいか迷ってしまう初心者へ
【クセ強だけど懐かしい】光岡、55周年記念車「M55ゼロ・エディション」発売。100台限定…ベースはあの車
「売れる車がない」なんて言わせない! 北米日産の大型SUV「アルマダ PRO-4X」が魅力的…価格も発表
新型「ティグアン」正式発売で注目集まる豪華装備とお値打ち度。世代遅れの兄弟「Q3」よりお買い得
メルセデスAMG「A45」に“最後の限定車”登場。2.0Lターボは421馬力も…価格は1000万円超え!!
ホンダの高級ブランドが新型SUV「ADX」を発表。クセ強め“アメリカン顔”の衝撃や背景とは?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!