10年分の進化を果たしたスバル BRZはATモデルが特に魅力。エンジン音の演出にも注目
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:市 健治 183
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今回試乗したのはMT。その仕上がりにはなんの不満もないが、自分ならATを選ぶ。ATのほうが初代からの進化っぷりは大きい。従来4速以上だったロックアップが3速以上、スポーツモードでは2速以上となった。高負荷時にマニュアル変速するとそれなりにショックが伝わるが、ダイレクト感が高まるというメリットのほうが大きい。ブレーキング時にブリッピングしながら自動的にギアダウンしてくれる制御が入った。プログラミングが賢く、コーナー進入時のブレーキングの最中、ここ! というタイミングでギアが下がる。サーキットで重宝した。さらにATにのみアイサイトが備わる。スポーツカーであっても走行の大部分を占めるのは日常だ。すでに旨味を知ってしまったACCを手放すのは難しい。
実用性の高さはBRZの強みだ。+2のリアシートが備わるのが大きい。大人が座るにはミニマムな空間だが、シートバックを倒せば、タイヤ4本を積載することを想定したフラットな空間が生まれる。「マツダ ロードスター」や「ポルシェ 718」シリーズにはできない芸当だ。じゃホットハッチでいいじゃないかというかもしれないが、前述した低重心、コンパクト、RWDというパッケージでのみ得られる挙動を獲得したうえで荷物も入るのが素晴らしいのだ。
2021年に提案すべきクルマがスポーツカーかどうかはわからないが、スポーツカーの提案としては308万円~という価格を含め、力作だと思う。
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