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ハスラー、見た目は“遊び人”でも中身はマジメ

スズキのノウハウが生んだ、新しさとおもしろさ

この1台が並んでいるだけで、お店全体が華やいで見えるような、視線を惹き付けるような、既存車にはないクルマを作ろうじゃないか。ハスラーのプロジェクトは、開発、販売、営業のそうした想いが一致し、急激な盛り上がりを見せたところからスタートしたという。

軽クロスオーバーというコンセプトが定まった当初は、開発者やデザイナーの中でも、人によって描いている方向性がバラバラだった。ハマーのようなイメージなのか、レンジローバー イヴォークなのか。だから初期のデザインスケッチでは、もっとルーフが流麗なカタチもあれば、ゴツくて荒々しい感じのものもある。ただ1つ、全員が心に決めていたのは、「絶対におもしろいクルマを作る」。見ただけでどこかへ行きたくなって、どこにでも行けるようなワクワクするクルマを作るんだ、という強い想いが最初から最後まで貫かれた。

ベースとなっているのは、今や大ベストセラーとなり、常に一歩先行く実力を与えられてきたワゴンRだ。20年前、ワゴンRの誕生は軽自動車市場に新たな風を吹き込んだ。そこから着実に積み上げてきたノウハウがハスラーに注がれ、基本性能の高さへの信頼性が生まれるとともに、また新たな風となっているのが興味深い。

またスズキには、世界中で重宝されている本格4WD軽SUVのジムニーがあり、ラフロードや雪道の走行だって大得意だ。それをもう少しソフトにして、市街地での快適性や室内の使いやすさと融合することは、スズキが持つ技術力ならそれほど難しいことではなかったはず。

こうして考えると、新しくておもしろいクルマを作りたいという情熱と、それまでに培ってきたノウハウがガッチリとタッグを組み、スズキから生まれるべくして生まれたクルマ。それがハスラーなのだと実感する。

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