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Eクラス カブリオレ試乗 エアキャップの実力は?

あえてソフトトップ

何か、丁寧に包まれた紙を広げていくような期待感を伴っている。そしてこの感じは、メタルトップ式のオープンモデルの、複雑で未来的だけれども即物的な開閉では得られぬ趣、とでも言おうか。

今やオープンモデルはそのほとんどが電動式で、ボタンひとつの操作で全てが完了することは当たり前。だが、それほどに便利で先進的な世の中だからこそ、あえてソフトップが与えられたEクラスカブリオレにはクラシカルな趣が生まれ、それがイコールで豊かさやゆとり、といった言葉を連想させるのだろう。あくまで品よく、あくまでエレガントを感じさせるのだ。

成り立ちはEクラス・クーペがベース。つまりCクラスのプラットフォームの発展版を採用する。ベースのクーペはセダン以上に好評だったが果たしてカブリオレは? 結論から先に述べておけばEクラスのベストモデル、とすら言える乗り味走り味を示していた。その理由は後で伝えるとして、まずはあえて採用したソフトトップの構造に触れておこう。構造はいかにもドイツ車らしい、メルセデス・ベンツらしい思想に満ちたものだ。

“アコースティックソフトトップ”と呼ばれるそれは、三層構造で実に23.5mmもの厚みを持ち、防水/防音/防熱性に優れる。つまり耐候性高く静粛性高く快適性高い室内を作り上げようとしている。そしてその言葉に嘘は全くなく、確かにクローズド状態ではおそろしく静か。クーペ同等以上? とさえ思える半端ないレベルにある。ちなみに資料には200km/hでハンズフリーで普通に電話できる、とすら記されるほど。ようはそれだけエクスキューズなく使えるクローズド性能が与えられているわけだ。なんだか意地すら感じるほどの。

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