V8搭載・FRフェラーリ カリフォルニアに試乗!
掲載 更新 carview! 文:川端 由美/写真:フェラーリ・ジャパン
掲載 更新 carview! 文:川端 由美/写真:フェラーリ・ジャパン
フェラーリの国際試乗会といえば、マラネロにある本社の正門前に集合して、隣接するフィオラノのテストコースを走るものと相場が決まっている。フェラーリという乗り物は、快楽主義の極みのような甘美なスタイリングを持ちながら、その実、ストイックなまでに性能を磨き上げたクルマでもある。だからこそ、限界での性能を試すのにふさわしい場所でジャーナリストにステアリングを預けてきたのだろう。
ところが今回に限り、フェラーリの人々はフィオラノではなく、魅力的なカブリオレを走らせるのにふさわしいシチュエーションを選んだ。燦々と太陽が降り注ぐシチリアの、古代の情景を色濃く残す海岸線に沿ってフェラーリ・カリフォルニアを走らせる--フェラーリ・ファンに限らず、クルマ好きであれば、そう聞いただけで胸が躍るはずだ。
かく言う私の胸も、その誘いを受けたときから踊り続けていた。パリサロンの会場でルカ・ディ・モンテゼモロ会長が、「飾っておきたくなるフェラーリではなく、どこまででも走っていきたくなるフェラーリだ」と言っていた言葉が耳について離れない。2回のトランジットを経た末にシチリアに着くという長旅も、決して苦にならなかった。
そして、結論めいたことを先に言ってしまえば、フェラーリ・カリフォルニアに関して流布している「心配」はまったくの杞憂だ。もし予算が許すなら、長いウェイティング・リストの列に並んでも決して後悔しないはずだ。
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