異例の大改良でプレミアム領域に迫った新アテンザ。その背景も気になる
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:望月 浩彦
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次に乗ったのは2.5Lガソリンエンジンを積むワゴン。セダンと比べて全長が60mm、ホイールベースが80mm短く、車重もやや軽いのだが、フットワークの印象としてはワゴンのほうがしなやかだった。ただしこれは開発側が意図したものではなく、重量、前後重量配分、ボディ剛性などのバランス違いが微妙に作用したものだろうとのことだった。
それ以上に違うのはやはりエンジンで、全体的な静粛性と、上まで回したときの伸びにはディーゼルにはないメリットを感じる。最高出力はディーゼルと同じ190psを発生。最大トルクは252Nmにとどまるが、それでも普通に乗っていてトルク不足を感じることはない。このエンジンには気筒休止機構が採用され、低負荷走行時には2気筒への燃料供給を止め燃費を稼いでいる。細かな制御によって2気筒運転への移行と4気筒運転への復帰はスムースに行われ、かつインジケーターも付いていないので、いつ気筒休止したか体感するのは難しい。しかしアクセルの踏み込み量が少ない一定速走行時など、状況によっては約5%の燃費向上を期待できるという。WLTCモード燃費はディーゼルの17.8km/Lに対して14.2km/L。さほど距離が伸びない人ならガソリンエンジンを選ぶ価値はある。
夜間の歩行者検知機能強化など、さらに進化した先進安全機能を搭載しているが、実用面で嬉しいのがアダプティブクルーズコントロールの全車速対応化。お盆やGWの大渋滞でストレスフリーの走行ができるのは大きな進化だ。
今回アテンザに乗って思ったのは、セダン&ワゴンはやっぱりいいなということ。SUVもいいけれど、低めの位置に座り、路面をなめるように走る感覚は車高の高いクルマでは味わえない。今回の改良で走りに磨きをかけたことで、そんな魅力をよりはっきり感じられるようになった。「SUVシフトとはいえ、輸入車はセダンもワゴンも売れている。この状況をどうにかしなくてはいけません。そこでセダン&ワゴンの本質的価値を問い直し、運転したい、所有したいと思っていただけるような商品を目指して改良を加えました」。これは開発責任者、脇家 満さんの言葉。そして新型アテンザは、まさにその通りのクルマに仕上がっていた。
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