ホットハッチの未来形、新型ゴルフGTIに試乗!

すべて使える十徳ナイフ

ニースからサントロペへと続く高速道路と一般道、そしてワインディングと約200kmのドライブで記録した燃費は9.8km/Lとなった。撮影のためゴー・ストップが多く、全体的に速度域が高かったことから察するに、旧型のGTIに比べれば燃費も向上していることは間違いないだろう。

基準車と違わぬ実用性や経済性と、第一線のスポーツカーをカモるパフォーマンスとを両立させる。初代から連綿と続くゴルフGTIのコンセプトは今回、またしても濁りなく継承されたようだ。デイリーカーとしての居住性や積載力、燃費・維持費といった項目をまずしっかり押さえていただきつつ、果たしてどこまで速く気持ちよくドライブ出来るのか。多くのクルマ好きが愛車を選ぶ際に基準とするのはこういうところだろう。

新型GTIはそのバランス点を非常に高いところに持ちながら、敵はひとクラス上のサルーンといわんがばかりの快適性も兼ね備えている。あれもこれもという十徳ナイフ的な商品は時にどの機能も使いづらかったりして、中途半端にさもしく映るものだが、そんなことを微塵も感じさせない彼らの仕事はやはり見事としかいいようがない。