A3スポーツバック試乗 これぞエコ・プレミアム!
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:齋藤 正
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:齋藤 正
排気量は2リッターと1.8リッターと1.4リッターがあり、いずれも直列4気筒だが、とくに1.4リッターが凄い。日本の10・15モード燃費でリッター15.8km、EU基準でリッター17.9km。従来の1.6リッターノンターボ車に比べて3割以上も向上しており、キロ当たりのCO2排出量はEU基準でわずか133g。プリウスの104gには敵わないものの同クラスではぶっちぎりだ。
このエンジンがなぜ凄いかというと、ひとつに直噴というメリットを生かし、ガソリンで燃焼室内を直接冷却して燃焼効率を高めているのと、ターボを早めから効かせて超低回転で最大トルクを発生し、フリクションロスを最大限抑えていることだ。要するに“直噴”と“ターボ”の食べ合わせの良さをとことん生かしているのだ。さらにいいのが7速の乾式クラッチ式Sトロニック。2組のクラッチを使い、奇数ギアと偶数ギアを交互に直結することで効率を稼ぐギアボックスだが、コイツはさらに進化しており、ギアを7速用意することで常に最適のパワーバンドが選べ、オイルポンプのない乾式がゆえにポンピングロスを減らしている。
まさに“直噴”&“ターボ”に加え“Sトロニック”という超脇役を得た最高の布陣なのだ。ある意味ポーカーでいう「ロイヤルストレートフラッシュ」、寿司で言う「大トロとコシヒカリと生ワサビ」のような絶妙の組み合わせと言えるかもしれない。確かにハイブリッドのような飛び道具はない。だがアナログ的な革新技術をいくつも組み合わせることで、同様の効果を発揮する。なかなかニクいテクノロジーなのだ。
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