「誰かにやってほしかった…」 CX-80に課せられたデザインの制約と苦悩、違いを生み出す工夫とは?
掲載 carview! 文:編集部/写真:小林 俊樹、マツダ 90
掲載 carview! 文:編集部/写真:小林 俊樹、マツダ 90
CX-60とCX-80でチーフデザイナーを務めた玉谷聡氏は、CX-80のデザインに関し「最初は気が重くて、できればほかの誰かにやってほしかった……」とデザイン初期の苦悩を語ってくれた。
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なぜか。前述の通りCX-80はCX-60のホイールベースを伸ばしたいわばストレッチ版。フロント~前席ドアまでがCX-60と共通、さらにリアゲート周辺もCX-70と同じだという。つまり、前半分と後ろの“蓋”が予め決まっておりデザインする余地はほとんど残されていなかったのだ。“ダックスフンド”になってしまうのが最初から目に見えていたのである。
「デザインがわがままを言えば色々変えることもできるが、マツダの体力でラージ商品群を全世界に展開するためには『これだけの決まり事を最初に決めないとできない』というのが最初から見えていた。だから気が重かった。絶対に変えられない幅と長さがあって、それをカッコよく見せるのは難しい(玉谷氏)」
>>CX-80とCX-60のデザインの違いを写真でチェックする
パッケージを担当した企画設計部の髙橋達矢氏が補足する。
「(ホイールベースの長さは)航続距離で決まってくる。バッテリーと燃料タンクに共通性を持たせることで(ラージ商品群を)成立させるという計画が初めにあった。航続距離とバッテリーはCX-60とCX-80では一緒。CX-80では車重が重くなる分燃料タンクが大きくなり、その分ホイールベースが長くなる。
投資をものすごく下げているが、マツダの規模で4車種作るとなるとこれは必然。デザイナーさんには申し訳ないが『これで頑張ってください』となってしまう(髙橋氏)」
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