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「誰かにやってほしかった…」 CX-80に課せられたデザインの制約と苦悩、違いを生み出す工夫とは?

影を潜めた「魂動」というパワーワード

今回の取材では、マツダ側からあまり「魂動デザイン」というワードが発せられないのが印象的だった。CX-80では、ボディサイズが大きいということもあり、CX-5などが持つスポーティさや生命感とは異なる雰囲気が漂っている。従来と同じ表現をしても、フラッグシップとしての堂々とした佇まいや雰囲気を生み出すことはできないそうだ。

「すべてをエモーショナル(な表現)にしてしまうとセカセカして余裕のない感じになってしまう。フラッグシップらしい“一歩引いた余裕”のようなゆとりを表現したかった。(3列シートという)空間をリッチに見せ、そこにマツダらしさである今にも動き出しそうな生命感を合わせ、センスよくフィニッシュさせるのが難しかった(玉谷氏)」

欧州のプレミアムモデルのように、シンプルで一見“デザインをしていない”ように見えながら高級感や存在感を演出するには、実は途方もない技術と資源がかかっている。玉谷氏も「マツダではそこまでお金をかけられない」と本音を漏らすが、「佇まいの中に豊かさを表現することはできる」と話す。

「当初、前と後ろの“蓋”を繋ぐデジタルデータを作り骨格に素性があるのかを見たら、使えないことはないけど……という状態だった。豊かさのポイントを掴み切るまでは自信がなかったが『この間の“つなぎ”だけでどれだけリッチさを表現できるか』という覚悟が決まったらあとは勝負のしがいがあるなと。やると決まったら自分のセンスを100%使って作り切るだけだった(玉谷氏)」

>>CX-80とCX-60のデザインの違いを写真でチェックする

コンパクトなキャビンにロングノーズというスポーツカーのような方程式でCX-60を仕立てた玉谷氏だが、CX-80では堂々とした体躯から従来のマツダ車にはないオーラを漂わせることに成功した。

実車をチェックする際は、玉谷氏のデザインへの想いを感じながら、空間的余裕があるからこそできるCX-80ならではのカーライフを想像してみてはどうだろうか。フロントグリル内の3本のメタル調ブローチや、太く直線的なDピラー部のブライトモールディングなど、細かなディテールの違い以上に、CX-60との雰囲気と方向性の違いを感じるはずだ。

◎あわせて読みたい:
>>マツダの北米向け「CX-50」がトヨタ製ハイブリッド搭載。日本のマツダ車も期待していいの?
>>【ジャパンタクシーにも台数負け】マツダ渾身の「CX-60」今年大苦戦のワケ。切り札はあるか?

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みんなのコメント

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  • 2024/8/27 09:51

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    この記事のように、デザイナーばかり持て囃されるが、それを実現させたエンジニア達も褒めてやってほしいね。
    デザイナーは理想ばかり言うが、エンジニア達は常に現実的。現場では「この角度では光の流れが汚く見えるんです。」「と言われても…金型はアンダーカットなんでね…。」といった会話が飛び交う。デザイナーを納得させるために、なぜ出来ないかの資料を作ったり、デザイナーの意図を読み取って代替案を提示したり。デザイナーの理想を叶えようと努力するのはエンジニアなのだよ。だから、金型も分からないようなデザイナーが現れると地獄だったり(笑)
  • 2024/8/27 18:59

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    何で毎回毎回ヴェゼルをパクったとか言ってるおっさんいるの?
    材質の悪い鉄を使うからすぐ錆びるし、塗装もすぐ劣化するホンダと一緒にしないでくれ
  • 2024/8/27 09:49

    違反報告

    CX-8は気にならなかったがこれはボンネットが長いせいもあってSUVというより背の高いワゴン車みたい。
    CX-8ほど売れないのでは。

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