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ホットハッチに巨星誕生 ルノースポールの実力!

シビックタイプRユーロとは1万円差

ワインディング的な公道を走っていると、このクラスとしては極めて上質な感触に彩られている。通常スポーツモデルは公道で硬さを感じるが、そうした印象はない。もちろんだからといってただ快適なだけでもない。言うならばそこには、スポーツモデルであることを忘れさせないだけの、ちょうど良い張りがある。そして常にフラットで確かな乗り味を示し続け、操舵していくとボディの動きはわずかではあるがインフォメーションが充分に備わるロールを生み出していく。

そうした乗り味走り味はひと言“大人の味”といえるものだ。ペースを上げて走っても印象は変わることなく続く。さらにいえば、そうした上質さは2クラス上のスポーツセダンのように思えるレベルにある。ただただ味わい深さにしみじみとするのである。

そうして高速に入ると、大人の味はさらに引き立ってくる。しなやかで滑らかな乗り味走り味は相変わらず上質さを引き立てつつ、そこに車格を感じさせない重厚感さえ生まれているのだ。だからといって鈍重な感覚は一切ない。この辺りに関してはリッター100psを超える2.0リッターユニットの動力性能の高さが存分に華を添えてくれる。常用域から既に快感と快音を伝えるが、回せばキレの良さを存分に伝える。一方で単に移動のためだけのエンジンとは違うコクともいえる感触すらある。さらに踏めば圧倒的な快感とともに、エンジンに“鳴き”が生まれるのだ。

その走りはまさに、現代ホットハッチの頂点にあるといって間違いない。僕は今年、アルファロメオ・ミトを大人の味を持つFFハッチの頂点に認定し現在自身で所有しているが、その頂点の座はあっさりと奪われてしまった? とすら思えるほど。そしてミトはもちろん名だたるホットハッチを凌ぐ快感をルーテシア・ルノースポールは有していたといえる。その意味では、現代においてはもはやホットハッチ=硬い乗り味という図式は完全に崩壊しているといっていい。

ならば果たして登場したばかりのシビックタイプRユーロとは相当な好勝負を繰り広げるのではないだろうか? 同じ2.0リッターの直4NAハイチューンエンジンを搭載し、価格は実に1万差である。機会があればこれも是非試して皆さんにお伝えしたいと思う。

そんな風に思えるほど極上のホットハッチだったのである、ルーテシア ルノースポールは。

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