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GT-R ドイツ試乗報告 スペックV&09モデル

カーボンセラミックブレーキの真髄はどこに?

アウトバーンでの感動を胸に、次はニュルブルクリンクGPコースにおいて、スペックVのステアリングを握る機会が与えられた。試乗車は欧州仕様で左ハンドル。それ以外はニュルに来る直前に日本の公道で試乗したスペックVと変わらない。ただ僕は日本のサーキットでは試していないため、スペックVのサーキット初試乗となった。日本のジャーナリストとしても初めてのことだったようだ。

GPコースはノルドシェライフェほど走ったことがないが、それでもスペックVの頼もしさは存分に味わうことができた。僕が痛感したスペックV最大の美点はカーボンセラミックブレーキの採用。ただし! カーボンセラミックブレーキ採用による制動力の向上…ではなく、これによるバネ下重量の低減に、である。

バネ下重量低減によってサスペンションはノーマルよりハードなものの実にしなやかに動き、ボディのコントロール感は遥かに上を行く。併せてバネ下が軽くなったことでステアリング・フィールにノーマルにはない情報伝達性が生まれており、操舵およびそれに対するタイヤの向きの変化やグリップ感といったものが余すことなく手のひらに伝わるのである。

ならば肝心のブレーキ性能は? 確かにノーマル以上に確実に、真綿で締めるかのごとく速度を下げてくれる。たださすがにニュルのGPコースを3周し、長いストレートエンドでのフルブレーキングを何度も試していると、いかにカーボンセラミックブレーキといえどもペダルに若干のストローク増加があった。いくらノーマルより軽量化しているとはいえ、基本的にヘビー級である上に信じられないほど高い運動性能を有するスペックVだけに、負担はそれなりにあるのは仕方ない。

それにしても、1.7トンをわずかに切る重さを持つクルマが、これほどまでに切れ味よく意のままに動くのだから技術とはリスペクトすべきものだ。そしていよいよ、GT-R09モデルによるニュルブルクリンク公開タイムアタックが始まることになる。

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