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Eクラス国内レポート! 頂点E550×河口まなぶ

ボディとシャシーの完成度がきわめて高い

最近では期間短縮がトレンドとなる自動車開発に一石を投じるような長いスパンでの開発を行い、他に例を見ない3600万キロものテスト走行を行った新型Eクラスだけに、走らせた瞬間からこのクラスのベストセラーに君臨し続けるのに相応しい滋味溢れる感触がドライバーの全身を包み込む。

しかも現時点で最上級のE550は電子制御のエアサスであるエアマティックを標準で備えるため、もともとEクラスが持つ重厚な乗り味に加え、どこまでもフラットながら滑らかな感触が存分に味わえるものとなる。

日本に上陸した新型Eクラスのラインナップは現在のところ、E300とE350とE550の3種類。ただし本国ではE250というモデルがあり、今回新型Eクラスにおけるガソリン・エンジ ン搭載車ではこれが“目玉”。理由は明快で、先代までのE250はV6だったが、今回からは1.8リッターの直4直噴ターボとなったからである。当然燃費にも優れCO2排出量も低い。それだけに今回の日本上陸においてもE250が最初からラインナップされることに期待したがかなわなかった。ただしこのモデルも今年中にはラインナップに加わることになるだろうから楽しみだ。

実は僕、今回のEクラスで最も気に入ったのはこのE250。プレミアム・ラグジュアリーサルーンにも関わらず、4発のガソリン・エンジンを搭載する辺りはまさにダウンサイジングの極み。しかもさすがはメルセデス、4発でもきちんと上質なEクラスの走りをしっかりと作り上げていたのである。

ただし! である。そうした新機軸に感心させられつつも、E550にひと度乗り換えると、「やっぱりいいね」という本音のひと言が漏れるのも事実なのである。

しかもこれ、僕だけでなくスペインでの海外試乗に参加した重鎮の方々の口から図らずも漏れた言葉だったりする。みんな新しい価値を持つE250に感心しつつも、やはりE550に乗ると「いいねぇ」なのである。理由はなぜか? 海外試乗時にペアを組ませていただいた黒澤元治氏いわく、「新型Eクラスはボディの完成度、シャシーの完成度が極めて高い。だからどんなエンジンを載せても良いと思える。ゆえにエンジンのクラスが上がると、やはり上級のエンジンと完成度の高さの相乗効果でさらに良いものに感じられる」とのこと。なるほど納得の理屈である。

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