マツダ「MX-30」試乗 EVではなくまさかのマイルドハイブリッドだったがこれはこれであり
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:望月 浩彦 136
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:望月 浩彦 136
内装はいろいろと実験的だ。水平基調のインパネにフローティングタイプのセンターコンソールが組み合わせられる。前席左右を隔てるセンタートンネル部分は立体的。インテリアの随所にコルク素材が用いられているのが大きな特徴だ。
風合いはよいのにこれまでありそうでなかったコルク素材のクルマへの採用。コルクは高温にも低温にも弱く、温度変化で形状が変わってしまう。だからこそワインの栓として有効なのだが、クルマの内装に用いるには耐久性の面で難ありだったというのが、なかった理由のようだ。
マツダは耐久性を高めるコーティングを開発して採用にこぎつけた。同社は1920年設立の「東洋コルク工業株式会社」がルーツ。MX-30に用いるコルク素材はワイン栓の端材という。
シートには前後とも素材の異なる2種類のグレーのファブリック素材が用いられ、車内を明るく見せる。シート形状は何の変哲もないが、適切なドライビングポジションに一家言あり(どこもあるだろうが、特に主張が強い)のマツダだけに、座り心地は悪くない。
ドア内張りやセンターコンソールといった腕が触れる部分にパッドがあるのだが、中のスポンジ量が多いのか、ふかふかで気持ち良い。へたれることなく長期間この状態が続いたら最高だ。ステアリング、ペダルとの位置関係も問題なし。調整代も十分。
ATシフターは操作系が独特で、Pのポジションから左に倒したところにR、N、Dポジションがある。特段使い勝手が良いとも悪いとも思わなかった。さまざまな機能が割り当てられたロータリースイッチの周囲にもスイッチがあって、どれも大きい。スペース的にもったいないと感じたが、運転中でも押し間違えることなく操作できるのがこのサイズというのがマツダの言い分だ。
後席中央のヘッドレストが常時張り出していて、ルームミラー越しにリアビューを確認する際にやや邪魔だが、その点を除けば視界も良好だ。
立体的と紹介したセンタートンネルまわりを中心に、小物入れが配置されるのだが、平面が少なく、例えばスマホをどこに置いても安定しないなど、使い勝手よりもデザインが優先されている。
モノを置く部分にもコルクが使われていて、視覚的なアクセントとしてうまく機能しているが、もう少し滑りにくい表面だったらなおよかった。センタースタック裏の小物入れは、スペースはそこそこ広いが、のぞき込まないと置いたモノが見えず、意外に使いづらい。自分のボルボで経験済み。
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