トヨタ「センチュリー」、レクサスを超える存在として独立ブランド化。新たなフラッグシップ戦略の全貌

「LSコンセプト（Luxury Space）

2トップ体制が描く新時代のトヨタラグジュアリー

豊田会長は1989年のレクサス創設を振り返り、「当時のトヨタのフラッグシップはクラウンだったが、LSによって世界のプレミアム市場に挑戦できた」と語りました。そして次の時代のレクサスは、セダンという枠にとらわれない“新しいラグジュアリー”を目指すとしています。

その方向性を表すキーワードとして掲げられたのが、「DISCOVER（発見する）」と「他を真似しない」。レクサスが今後、既存の高級車像を超えた提案を行うことを示唆しています。

一方で、チーフ・ブランディング・オフィサー兼デザイン責任者のサイモン・ハンフリーズ氏は、センチュリーとレクサスの戦略的な共存について「レクサスは挑戦を続けるブランドとして進化し、センチュリーは“トップ・オブ・トップ”としてハイエンド市場に挑む」と説明しました。

その考えは両ブランドのメッセージにも反映されています。センチュリーは「One of One」「同じではないこと」、レクサスは「誰の真似もしない」「Discover」といったキーワードを掲げ、それぞれの方向性を明確にしています。

今後、両ブランドがどのようなモデルを生み出し、どんな存在感を示していくのか。トヨタが描くブランド戦略の行方に注目が集まります。

（終わり）

（写真：APOLLO NEWS SERVICE、トヨタ、レクサス）