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ベンツ AクラスがMC。河口まなぶがテスト!

熟成されたリアサスペンション

今回のフェイスリフトで、シャシー系への変更はアナウンスされていない。つまりシャシーは従来となんら変わらないわけだ。しかしそれでも走り出した瞬間から、初期の頃とは印象が違うなぁと感じる。

国際試乗会で2代目Aクラスを初めて走らせた時には、走りにおける先代との比較において圧倒的な進化があり、この点を高く評価した。しかしその後、日本に導入されたモデルに触れてみると、リアサスペンションからの突き上げが若干気になった。走らせた場所の違いもあるが、今思えば2代目Aクラスの初期型は、やはり過去の呪縛ゆえにとにかくダイナミクスを万全に…の思いが強くあったに違いない。ゆえにFF車の命ともいえるリアサスは、 しっかりと踏ん張らせなければならなかったわけで、これがコンフォート性能を犠牲にしていた部分もあった。

しかし久々に触れたAクラスはそうした部分が大分解消されていたのだった。理由はおそらく量産効果によるものや、常に続けられるアナウンスするほどではない小変更にあるのだろう。例えば新型車の場合、初期ロットとある程度台数を生産してからではボディ剛性などにも変化があるという(当然後者の方が良くなる)。組み付け行程そのものも熟れていくからだ。また自動車は常に細かな変更・改良が施されているから、当然後に作られた物の方が良くなっている(場合がほとんど)。結果今回走らせてすぐに感じたような「熟れた感」が生まれるわけだ。

特に以前気になったリアサスの突き上げは相当にマイルドになったと思えた。軽やかな感触が増した、というのが僕の印象だ。もっともこれは派生モデルBクラスでも同様の印象でもある。Aクラスに至っては登場から3年が経過してのフェイスリフト版だけに、時間とともに熟れた感は強く、走らせると実に爽快な感じが生まれている。気軽に使えるコンパクトカーに相応しい、メルセデス・ベンツとしての解答がそこにあると思えた。

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