VWがつくる現代版デューンバギーの試作車に試乗。現実的なスペックで市販化も検討中か?
2019/09/20 07:00 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office
2019/09/20 07:00 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office
今から半世紀も前にスティーブ・マックィーンが主演した映画「華麗なる賭け」で彼が海岸を乗り回した真っ赤な“デューン(ビーチ)バギー”は当時の若者を魅了した。実は私もその一人で、実際に購入できないかと本気で考えたほどであった。事実、その人気は当時ダイハツをして「フェローバギィ」と言う軽自動車ベースの特装車を100台限定で販売させたほどであった。
このバギーなる乗り物の正式名称は「マイヤーズ マンクス」で、1964年に西海岸に住むブルース・マイヤーズというサーフィン好きエンジニアがビーチを走り回るために考案、バスタブにタイヤをつけたような格好をしていた。ベースはVWビートルで、フロアを36cm切り詰め、シェヴィー(シボレー)製ピックアップトラックのサスペンションを移植していた。
この愉快な乗り物は瞬く間に人気を得て、冒頭に述べたように映画にまで出演するようになったのである。ところがマイヤーズが発案、開発、生産販売した「マイヤーズ マンクス」は構造が余りにもシンプル過ぎてパテントを得ることができず、コピー商品が溢れ、結局本家のマイヤーズは倒産してしまう。
現在、電気自動車へのトランスフォーメーションによってこれまでのイメージを払拭しようと計画しているVWは、このバギーのヘリテージを尊重し、電動化して復活させたのである。
「ID.バギー(ID.BUGGY)」と名付けられたコンセプトモデルは全長4.06×全幅1.89×全高1.46m、ホイールベース2.65mとオリジナルより二回りも大きく、隣に並んだオリジナルがオモチャのようだ。ベースはVWのBEV(電気自動車)であるID.シリーズに採用されるMEBと名付けられた共通モジュールで、床下には62kWhと比較的大きな容量を持った電池が搭載されている。そしてリアアクスルに組み込まれた150kWのモーターによって、0-100kmまでを7.2秒、最高速度は160km/hでリミッターが介入し、航続距離は250kmとなっている。
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