レースで“BMW”の名を轟かせるために生まれた初代「M3」はサーキットで熱く日常ではジェントルだった
掲載 carview! 文:横田 宏近 4
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初代「M3」は、BMWとモータースポーツが現在より近い関係にあった時代の傑作。すべてが本気のスポーツスペックでマニアを魅了した。ツーリングカーレースでの勝利を目指して開発された「羊の皮を被った狼」。それがBMW M3だ。
1960年代、BMWは「1800」や「2000」、そしてその2ドア版である「2002」でサーキットを席巻した。1970年代は「3.0CSL」で圧倒的な速さを見せつけた。BMWにとって、その卓越したパフォーマンスをサーキットで実証することは、いわば伝統の一部といっていい。それほどBMWとサーキットは近い関係にあった。
3シリーズをベースにM3が誕生したのは、いわば当然の帰結だったといえる。M3は改造範囲が限られたグループA規格で戦われた1980年代のレースシーンでBMWの名を轟かせるために開発・企画された生粋のマシンだった。
ネーミングに「M」が付くことでも理解できるように、その仕立ては、BMWのモータースポーツ専門組織、BMWモータースポーツ社(現BMW M社)が行った。
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