なぜトヨタは「F1復帰」と言わなかった? GRとハースが組む莫大なメリットと、そこに込めた豊田氏の想い
掲載 carview! 文:編集部/写真:トヨタ自動車 84
掲載 carview! 文:編集部/写真:トヨタ自動車 84
トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing、以下TGR)は10月11日、「マネーグラム ハース F1チーム(以下、ハースF1)」と業務提携を結んだことを発表した。
今回の業務提携は、TGRとハースF1の車両開発や人材育成の協力を目的としている。
会見のボードにも掲げられている通り、TGRはハースF1の「オフィシャル・テクニカル・パートナー」となった。本来ならば堂々と「F1復帰!」と声高らかに叫んでもおかしくはなさそうだが、会見の冒頭GAZOO Racing カンパニーの高橋智也プレジデントは「『トヨタF1復帰!』と思われた方がいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません」と語り「F1復帰」の言葉を避けた。その真意を考察する。
まず、トヨタは2002年よりF1に参戦し、最高位2位(5回)、ポールポジション3度獲得、コンストラクターズタイトル最高位4位(2005年)などの成績を収めたが、リーマンショックに伴う経済状況の悪化により2009年をもって撤退。撤退の決断を下した豊田章男氏は過去自ら「私はF1を辞めた人」と言い、世界最高峰のモータースポーツの舞台から距離を置いていた。
当時のトヨタは、規模拡大(販売台数)に邁進し大幅な固定費を抱え苦境に陥ったが、その後豊田氏は社長としてトヨタを筋肉質な(利益率の高い)メーカーへと変革。さらに「もっといいクルマづくり」のためにTGRを通じWEC(世界耐久選手権)やWRC(世界ラリー選手権)をはじめとする世界各国のレースでクルマと人材を鍛えてきた。TGRが掲げる旗印は、“モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり”だ。
F1とは距離を置いてきた一方、TGRのワークスドライバーである平川亮選手がマクラーレンF1チームのリザーブドライバーに就任し、F1直下のカテゴリーであるF2に宮田莉朋選手がGRのロゴをあしらったマシンで参戦するなど、徐々にF1との関わり合いが増えてきた。
しかし彼らの挑戦は、あくまでも豊田章男氏個人が「世界一速いクルマをドライブしたい」というドライバーの夢を応援したいという想いが強い。“トヨタのドライバー”では叶えてあげられない夢を、トヨタ以外と組むことで実現させたいという背景がある。
(次ページに続く)
◎あわせて読みたい:
>>“想定外”が頻発する耐久の現場。技術開発に留まらない、トヨタが水素で挑戦するワケ【S耐富士24hレース】
ログインしてコメントを書く
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
【詳細データテスト】マセラティ・グラントゥーリズモ EVらしからぬ好ましい挙動 航続距離は足りず
バカ売れ間違いなし!? ホンダ[N-ONE e:]は一番人気のEV[日産サクラ]と対決実現なるか!!
ドイツにも「テスラ信者」が…「BEV以外は悪」という高学歴エリート一家のクルマ買い替え相談にのってはみたものの…【みどり独乙通信】
フェラーリの懸命な取り組みが歴史的な1-2-3に貢献。終盤には「愚かな結末」を回避する指示
【フル充電で700km】10分充電で300km走る新型ボルボ ES90、3/5に発表
なぜ視界が悪くなるのにリアウインドウを小さくした? 元祖「ビートル」のディテールを現代のVW「ザ・ビートル」で徹底再現したら…
2025年版 高性能&コスパに優れた中国車 10選 かつてないほどの進化、欧米車にも負けず劣らず
「カウンタック」や「ミウラ」の価値を守る「ポロストリコ」が創設10周年! ランボルギーニのレストア部門主催の2025年イベントに目が離せない!
ピュア&ドラマチック ロータス340R ルノー・スポール・スパイダー(2) 軽いシャシーへハマる
実用性は度外視 ロータス340R ルノー・スポール・スパイダー(1) AUTOCARが開発関与
小椋藍がスプリント4位でポイント獲得。M.マルケス勝利でドゥカティ1-2-3/MotoGP第1戦タイGP
可愛らしさ全開! 「ミニ」はファミリーに向いている? 3ドアより「5ドア」はどう? ポイントは後席空間?【体感記】
【あの頃、新しい高級車が誕生した】初代「セルシオ」は “源流主義”で欧州サルーンに対抗
【ほぼ魔法の絨毯】乗り心地良好の「レヴォーグ レイバック」 気になるのは燃費とデザイン
ホンダ「エレメント」に復活のウワサ。斬新すぎた“オシャレ系観音開きSUV”は再び登場するのか?
今なら1年以内で届く! 「フェアレディZ」長納期解消も、あと数ヶ月で受注を停止しそのまま終焉の可能性
【現地フォトあります】高性能BEV「ミニ JCW E」&「ミニ JCW エースマン E」追加 人気ブランドの後押しとなるか?
【発表は8月が濃厚】レクサス「LFA後継モデル」はV8ハイブリッド搭載でGRとの二本立てに?
【朗報】レクサス「RX」一部改良。静粛性向上&走りが深化…668万円~と値上げ幅は小幅に留まる
打倒「アルファード」への秘策は? 26年度登場の新型「エルグランド」は日産復活の起爆剤となるか
【なんと5年間“充電代無料”】テスラ「モデルY」を旧型在庫一掃セールで買う価値あるのか?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!