開発費の高騰でモデル整理が進む中、VWがT-Rocにカブリオレを設定した理由とは?
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 39
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コロナウイルスショックはここ数週間でヨーロッパ…もちろんドイツでも一気に深刻になり、モーターショーのキャンセルなどで自動車業界にも影響が出ている。我々ジャーナリストにとっても情報報集が難しくなってきているが、各メーカーはオンライン発表会などで急場をしのいでいる。乗ってみなければわからないニューモデルの試乗会のキャンセルに対しては、メーカーのほとんどが我々ジャーナリストに対して個々にテストできるように試乗車をデリバー、あるいはピックアップを可能にしている。
そんな中で真っ先に私の元に届いたのがスペインでの試乗会が直前でキャンセルとなった「T-Roc カブリオレ」だ。
このオープンSUV誕生の背景は、電気自動車という全く新しいカテゴリーの登場によって、開発コストが飛躍的に上がり、モデルバリエーションの整理が必要になったことに起因する。これまでにわかっただけでも、小は「フォルクスワーゲン up!」から、中は「BMW 3シリーズ GT」、大は「メルセデス・ベンツ Xシリーズ」(「日産 ナヴァラ」ベースのピックアップ)が将来的に生産中止を発表している。まあ「Xシリーズ」は企画の段階から読みを間違っていたと言われていたが。
さらにカブリオレ(オープンモデル)が続く。「アウディ A3 カブリオレ」と「メルセデス・ベンツ SLC」が後継モデルの開発を中止したと伝えられた。そしてどうやらフォルクスワーゲンは次期「ゴルフ」でもカブリオレの市場投入を行わない模様なのだ。
しかし、市場からのオープンモデルへの要求は消滅したわけではない。特にドイツやイギリスでの人気は高く、その解決策としてフォルクスワーゲンが示したのは冒頭に述べた人気SUVの「T-Roc」にオープンモデルを設定するという決定である。これならばニッチモデルとしてある程度の台数を確保する可能性があると見たわけである。
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