“10cm浮いて走るスポーツカー”新型BMW X4をただのキワモノと見るべきではない
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:望月 浩彦
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:望月 浩彦
というわけで、新型X4は4年前に初登場した新企画が見事に成功して、それを受けての2代目である。ご想像のとおり、初代の正常進化そのもので、良くも悪くも意外性はまったくない。
アンダーボディの基本設計は2865mmのホイールベースまで含めて3代目X3と共通だが、この新開発プラットフォームが、3シリーズより先にX3やX4で市場投入されたことに注目しなければならない。今回はたまたまのタイミングという面もあろうが、いずれにしても「3シリーズありき」の時代でなくなったことは感慨深いと言わざるを得ない。
2865mmというホイールベースはX3と同じで、新型X4のボディサイズはそれより35mm長く、45mm幅広く、55mm低い(4760×1940×1620mm、比較はX4のM40iとX3のM40dの場合)。先代では全長で25mm、全高で50mm(全幅は同じ)のちがいしかなかったことを考えると、X3とX4でのサイズ差は新型のほうが拡大した。
数値だけを取り上げるとわずかな差にしか思えないが、実物の見た目効果はそれ以上に大きい。X3より伸びやかでスポーツクーペ的な雰囲気は先代より飛躍的に分かりやすくなっている。
ただ、そのぶん、従来の同クラスBMWにあった直感的に取り回せるコンパクト感が、新型X4では薄れたのも事実。今回のように開放的な箱根の山道でも、乗り出した瞬間に「これはX6?」と錯覚しかけたほど、良くも悪くも立派な車両感覚である。
調べてみると、新型X4は現行X6よりはもちろん明らかに小さいものの、先代X6とのサイズ差は意外なほど小さい。先代X6比で全長こそ125mm短いのだが、全幅は45mmしかちがわない。このように新型X4は実際にも小さくないのだが、さらに先代X6より目線が低い(ボディ全高は70mm低い)こともあって、乗っている人間にはさらに大きく感じられてしまうのだ。
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