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マツダ「CX-5」&「CX-8」に乗ってあらためて感じた走りの良さとブランドイメージに思うこと

最近のマツダのブランドイメージに思うこと

私にとってのマツダ車は、上質なブランドというよりも、人のぬくもりを感じるクルマだと思っている。今回運転してみて、そのクルマの純朴さを改めて感じた。そこで思ったのは、今のマツダブランドイメージはそこから少し離れてしまっているような気がするということ。

マツダのCMなどは、麗しい外国人の方が出演し、意味深なメッセージとともに美しいクルマに乗って走り出す…というものが多い。私にとってはそれがいつも引っかかっていた。「もっとマツダ自身の等身大の姿を知ってもらえばいいのに」と。

お世辞にも綺麗とは言えない年季の入った工場で、バラバラに車種が流れてくるラインでも淀みなくクルマを組み上げる人たち、良いクルマを作るために侃々諤々と開発にあたっている、クルマ好きを超越したクルマ馬鹿(すみません)の開発者の方々、レース好きが高じて自らレースに参戦し続けている役員の方たち…。その汗くさい部分こそが美しいし、本来のマツダらしいのではないか、と。

綺麗で仕立てのいいスーツを着てスマートに仕事をしている人よりも、たとえ作業着で汗と油にまみれていても、自分の信念を持って一生懸命仕事をしている人の方が、私は好きだ。ユーザーが正しく簡単にマツダを理解するためにも、これからはハイブランドなイメージに囚われすぎないプロモーションも必要なのではと感じた。

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伊藤 梓(いとう あずさ):ライター
クルマ好きが高じて、グラフィックデザイナーという異業種から自動車雑誌の編集者へと転身。2018年からクルマの魅力をより広く伝えるために独立。自動車関連のライターのほか、イラストレーターとしても活動している。

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