世界初・市販用ランフラットの乗り心地を検証
掲載 更新 carview! 文:斎藤 聡/写真:ブリヂストン
掲載 更新 carview! 文:斎藤 聡/写真:ブリヂストン
試乗して印象的だったのは、乗り心地がずいぶんマイルドに感じたこと。従来は路面のひび割れなどを逐一拾い、ショックは大きくないが硬質な微振動として伝わってきた。これは第2世代となったランフラットでかなり改善されたが、それでも気になる部分ではあった。それから突起を乗り越えたとき、その段差が大きい(といっても1~2センチの落差だが)ほど、ガツッと来るショックは消すことができず、ランフラット独特の悪癖として残っていた。
そんなわけで、今回試乗するに当たっては、振動・乗り心地の部分でこうしたショックがどう変わっているのかを、かなり意地悪く観察してみた。ところがこれが悪くないのだ。マイルドといえるくらい路面の目地を踏んだ時の感触が柔らかく、しかも段差を乗り越えたときのショックにもタイヤのサイドウォールがたわみながらショックを吸収しているような柔軟さが感じられた。
タイヤの重さもほとんど意識することなく走ることができた。あえて言えば140キロ以上の速域で僅かにジャイロ効果による(と思われる)直進感が強まるかなという印象。この直進感は若干の鈍さを伴うものなので、安定性と±で長短所は相殺といったところ。
ランフラットタイヤがずいぶん乗り心地方向で進化した点に感心した。これまで個人的にはランフラットに対してややネガティブな立場を取ってきた。それは乗り心地の硬さ、タイヤの重さからくる操縦性の悪さ、ステアフィールの悪さなどデメリットが多く見られるにも関わらず、ガソリンスタンドが多く、治安が良く、国土が比較的狭い日本ではパンク時のメリットがさほど多いとは言えないからだ。
が、この性能が出せるのであればランフラットの装着はアリだと思う。タイヤの硬さと重さからくる、乗り心地、クルマとのマッチングの面でのネガティブがほとんどないからだ。ランフラットタイヤを履くことで、いざパンクというときの路上交換でのリスクをなくすことができる。パンクについて言うと、ほかにもノーパンクタイヤは発売されているが、サイドウォールのダメージによるパンクでも走れるのはランフラットタイヤだけだ。
また、サイドウォールが補強されているためキャッツアイなどを踏んでホイールリムを傷めるリスクも少なくなる。
従来のタイヤ(出来のいいタイヤに限るが)が持っている繊細なステアフィールには正直言ってまだ及ばない。この点に関してはさらなる改良を求めたいが、少なくとも乗り心地の面では大きく進歩し、納得できるレベルに達していると思う。
とすれば、環境負荷軽減といった側面からみた場合にも、ランフラットタイヤを装着することの意味はある。EVやハイブリッドカーにとってはスペアタイヤをなくすことでバッテリー搭載スペースの確保・拡大にもつながるなど、さまざまな点でメリットが見いだせる。そう感じさせるだけの進化がS001RFTに認められたということだ。
ログインしてコメントを書く
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
光岡『ファイナル ヒミコ』発表、17年の歴史に幕 中古車ベースで生産
10%の英ドライバーは故障につながる、ある単純な部品を一度も点検していない!?
バイクのある日常をテーマにしたイラスト展「HAVEABIKEDAY.Vol.7」がユナイテッドカフェ世田谷店で3/19~31まで開催!
新しい「“マイナ”免許証」まもなく交付スタート! これまでにない「カード一体化」でどんなメリットがある? 「更新が楽」「ちょっと安くなる」ことも 特徴は?
ランエボ使いが[ドイツ製スポーツカー]を20年以上も相棒にした本当の理由ってなんだ?
「フォルクスワーゲン・IDバズ カーゴ」が「フリート ニュース アワード 2025」で「ベスト スモール バン」に選出
【動画】KGモーターズの小型EV「mibot」に先行試乗。小さいのに実用性が高い、110万円のひとり乗り原付ミニカー
2戦連続Q2進出のデビュー。SFライツ王者のルーキー小出が見せた“レース中の進化”
【2025年FIA F2をイチから学ぶ】鍵はドライバーの腕とチーム力。F1登竜門の注目ポイント
これが最後の10台に。ミツオカの2シーターオープン『ファイナル・ヒミコ』が限定発売
BMWの新世代EV「ノイエ・クラッセ」、4つの高性能コンピューター「スーパーブレイン」搭載へ
アルピーヌ育成ミニがポールポジション獲得。マルタンスを退ける……宮田莉朋は12番手|FIA F2メルボルン予選
【実際どうなの?】「WR-V」オーナーのガチな本音…コスパは魅力的。でもやっぱり“割り切り”が必要!
「ジムニー」の“進化”を大胆予想。軽、3ドアのシエラ、5ドアのノマドときたら…次はピックアップトラックで決まり⁉︎
やっと出た「エステート」にもマット塗装追加! “ザ・クラウン”でしか買えない特別仕様車は今夏発売
【やっと】「エステート」発売。フルフラットな広大ラゲッジで史上最もアクティブなクラウン…635万円から
欲しくても買えない…注文殺到で長納期化の「ランクル」や「ジムニー」。なぜメーカーは増産しないのか?
レクサス「LM」が前年比477%増と売れまくり。1500万円超の高額車をヒットさせるトヨタの“したたかさ”
“トランプ関税”で次期シビックがメキシコ産から米国産に?「アメリカ・ファースト」が日本車に与える影響とは
【1年半遅れ】今春登場の新型「ムーヴ」…HEVナシ、20万円値上げも“スライドドア採用”で一発大逆転へ
「やっちゃえ日産」よ再び! 余計なお世話は承知の上で、今必要なのはe-POWERだけじゃなくてこんなクルマ
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!