ホンダが新型EV「Nワン・イー」を公開。その無印良品的なコンセプトに想定ユーザーの「ミドル＋20代女性」はついて行けるのか？

N-ONE e:　Lグレード　チアフルグリーン。グリーンというより青みが強いボディカラー。

ライバルを上回る航続スペックや給電機能

N-ONE e:のバッテリーやモーターのスペックは未公表ですが「通勤で毎日20km走って、2日は10kmの送迎もして、1週間後に25％の電力が残っている」ということなので、一充電走行距離は少なくとも220kmほどと、ライバルである日産「サクラ」の180kmを余裕で上回りそうです。

また、専用コネクター（約3万円）を用意すれば最大1500Wの電気器具が使えるのも便利。ライバルはもっと高いインバーターを購入する必要があるので、アウトドアやレジャーで家電を利用したいユーザーは注目でしょう。

・・・先行するライバルの「サクラ」と「eKクロスEV」が“実用”ハイトワゴンというコンサバなボディタイプを選んだのに対して、後発となるN-ONE e:はスペシャリティなハッチバックで知的な30～40代女性（＋20代女性）を狙うという、かなり尖った戦略が印象的です。

ある意味、ホンダに脈々と流れる自動車デザインへのインテリジェンスやミニマリズムが、軽乗用BEVというジャンルでも爆発しているところに、担当としては共感とともに、ある種の味わい深さを感じるわけであります。

果たしてこの“わかってる人向け”とでも言ってしまいたくなるような攻めのコンセプトは成功するのか。お得感や豪華さ、多機能さといった泥臭いコスパの最前線はドル箱の「N-BOX」に任せて、アーリーアダプターにしてミドル女性というニッチなユーザーを狙った商品戦略の行方にも注目です！

（終わり）