世界初の量産FCV「MIRAI」に、今も未来を感じさせる魅力はあるか?
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久
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この3年で世間の論調は変わり、FCVの未来には暗雲が立ち込め、やはりEVが次世代自動車の主流だという声が大勢を占めているのが現状だ。それについては反論の材料は山ほどある。しかしながら純粋に目の前にMIRAIとテスラ モデルSを並べた時に、1台のクルマとしてモデルSの方が魅力的であることは、率直に言って明らかだ。
先に不満として挙げたような高度運転支援技術やテレマティクスといった部分で、モデルSは大胆なまでにアップデートを繰り返し、常に最先端のものを手にしてきた。更に言えば、スタイリングはセクシーで、インテリアも触れてみたいと思わせる魅力があふれている。
モデルSには、仮にパワートレインが何であっても欲しいなと思わせる要素が、いくつも備わっている。クルマの未来を感じさせるものをいくつも持っている。一方のMIRAIは、FCVであるという以外にはほとんど、そうしたアピールの要素が無い。私に言わせれば、両車の明暗を分けたのは間違いなく、そこだろう。
テスラのそうした貪欲な考え方は、MIRAIがデビューした時にはすでに明らかになっていた。それだけに私としては、MIRAIにも素早いアップデートを期待していた。たとえば同じトヨタのアクアは、人気モデルであるにも関わらず、いや人気モデルだからこそ早いサイクルで改良を繰り返しており、実際にアクアからマイナーチェンジされたアクアへ買い換える人も少なくないと聞く。アクア自体には満足していて、車検などの機会で別のクルマにするよりは、進化したアクアをまた欲しい。そういう考えである。
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