G63AMGに海外試乗 Gクラスがアップデート
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:メルセデス・ベンツ日本、ダイムラーAG
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:メルセデス・ベンツ日本、ダイムラーAG
Gクラスには特別仕立ての6輪駆動車もある。現在はオーストラリアの陸軍から依頼されて生産しているモデルだが、私はこの6輪駆動車に過去に一度だけ試乗したことがある。まるでクライマーにように直角に見える崖を登ってしまった。3つのデフをロックした走りはまさに戦車であった。
さてG63を実際に試乗するとタイムスリップして70年代に戻った感じがした。いちばん違和感があったのはステアリング・フィールだ。現代のSUVはその多くがラック&ピニオンのステアリングを使っているが、Gクラスは「リサーキュレーティング式」を使う。昔のW124時代や初代Cクラスで味わえた“ねちっこいステア・フィール”を感じさせてくるアレだ。
違和感と言ったのはダイレクト感のあるラック&ピニオンに慣れてしまったからであり、昔のステアリングはシャフトが上手に捻れる感覚を伴っていたものだ。リサーキュレーティング式はボール・ナットとも呼ばれ、ステアリングの回転力を直線の動きに変換する機構を言う。このステアリングは高速走行では適度な遅れを持ち、安心して操作できるステアリングであった。Gクラスのオフロード機能は多くの人がオンロードで使っているが、その取り回しが気になるところだ。
また、前後のサスペンションはコイルスプリングを使うが、リジットアクスルであることが特徴。リヤのリジットアクスルは小型乗用車にも多く使われているが、フロントのリジットアクスルはめずらしい。しかしフロントのリジットアクスル化は地上高を稼げるのでオフロード車の機能向上には都合がいい。
メルセデスのエンジニアでも「前後リジットアクスルのサスペンションやリサーキュレーティング式ステアリングを設計しろ!」と言われたら、簡単にはできないかもしれない。そんなニーズに応えることができるオーストリーのマグナ・シュタイアー社の存在は大きいはずだ。
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