未来のMIRAIはかなり過激!? 市販に向け前進中のスポーツコンセプトがカッコいい。発売はいつ?
掲載 carview! 文:編集部/写真:編集部、トヨタ自動車 16
掲載 carview! 文:編集部/写真:編集部、トヨタ自動車 16
11月11日~12日に富士スピードウェイで開催された「スーパー耐久シリーズ2023 第7戦 富士4時間レース」。レースだけでなく、水素技術を中心としたさまざまな環境への取り組みが体験できるのもこのレースの特徴だが、水素体験コーナーの一角に何やら異質なオーラを放つ車両が……。
それがトヨタが展示していた「MIRAI スポーツコンセプト」。
燃料電池車(FCEV)である「MIRAI」をベースとしたメーカー純正のチューニングモデルで、元々は5月に行われた富士24時間耐久レースでお披露目されていたのだが、今回展示されているのは2号機。5月の時点では“あくまでもコンセプト”仕様だったのだが、今では市販を真面目に検討しており、各種テストの真っ最中だそうだ。
搭載されるのは、“2.5世代”と呼ばれているFCスタックで、最高出力はベースのMIRAI比で7kWアップの135kW。説明してくれたスタッフは、「数値的には7kWだが、制御を変えており体感的にはかなり違う。ノーマルは出力が頭打ちになってしまい、120km/h以上はなかなか加速しないのが、これは上まで気落ちよく伸びていく」と話してくれた。
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エクステリアはほぼ完成形に近い仕様で、現状市販に向け課題の洗い出し中とのこと。
FCEVはあまり冷却が必要ないと思われがちだが、FCスタックは冷やして温度を安定させる必要があるとのことで、フロントバンパーには3本のスリットが追加され、ボンネットは“熱の抜け”のための開口部が設けられている。見てくれではなくキチンと機能に根差したデザインが施されており、ボンネットのダクトはもう少し改良が必要とのこと。
今回の展示車両には、SARD製のGR86用ウイングがステーを変更して装備されていたが、これ以上ウイングの角度をつけるとフロントのリフトが大きくなってしまうので、市販版ではオプション設定などを検討しているという。
インテリアでは、ステアリングとシフトノブをレザー巻きに変更しているほか、「GRカローラ」のスポーツシートが装着されていた。
ホイールはレクサス「LC」にオプションで用意されているTRD製21インチホイールに、トヨタバッヂを装着。そこにミシュランパイロットスポーツS5を組み合わせる。足回りはRS-R社製となっており現在はなんと60mmダウン! 後輪は指が入らないほど車高が下がった過激な“ツライチ仕様”だが、さすがにここまでの車高は見送られるだろうとのこと。
ちなみに、なぜここまでツライチになったかというと、開発者の“悪ノリ”とスタッフは笑いながら教えてくれた。開発チームはそんな“悪ノリ”が許される部活動のような雰囲気で、チーム全員楽しみながらこのクルマを仕上げている最中だという。
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最後にスタッフは、MIRAIスポーツコンセプト誕生の背景を教えてくれた。
スタッフによると、これまでMIRAIはデイリーユースから官公庁向けまでさまざまな顔があり、なかなか極端なことができなかったのだが、「クラウンセダン」にFCEVが追加されことにより思い切ってスポーツ方向にシフトできたと言う。
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現状、“GRブランド”ではなくあくまでも“トヨタのMIRAI”としての市販化を検討しており、グレードの1つではなくMIRAIのハイパフォーマンス仕様という位置付け。つまり「シビック」と「シビックタイプR」のような関係だ。
市販化まではまだハードルが多く、たとえば、GRカローラでも採用された「マットスティール」のボディカラーは洗車など扱いに注意が必要なため、このクルマに合わせてチューニングが必要とのこと。
市販まではまだ1年ぐらいはかかりそうとのことだが、来場者からの反応は好評で、その声は上層部にも届いているという。
「みなさんからのご要望が多ければ、市販化がもっと近づいてくる。ぜひ応援していただきたい(前述のスタッフ)」
開発者が部活動のように楽しんで作っている未来のMIRAI。そんな燃料電池車の未来は、きっと楽しいはずだ。
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