裾野が広すぎる 英国自動車業界
英国車といえば、ミニのような可愛らしい小型車、ジェームズ・ボンドのスポーツカー、王族や貴族を乗せる超高級車など、さまざまなイメージが思い浮かぶだろう。実際、英国(イングランド、北アイルランド、スコットランド、ウェールズ)の自動車産業は裾野が広く、完成車メーカーだけでも両手で数え切れないほど存在する。
【画像】自動車大国・英国を代表するブランド【ケータハム、ベントレー、アストン マーティン、BAC、アリエルを写真で見る】 全103枚
今回は、英国で自動車を製造している全企業106社をリストアップしてみた。二輪車や商用車、軍用車メーカーも含めるほか、トヨタ、日産など現地で製造する外国企業も取り上げる。以下、アルファベット順に紹介していく。
ACカーズ
1903年にウェラー・ツーリングカーを発売したACカーズは、世界で最も古い歴史を持つ自動車メーカーの1つである。ウェラー・ツーリングカーは「オートキャリア(Autocarrier)」と呼ばれるようになり、そこから「AC」という略称が生まれ、1907年に社名に採用された。
1960年代の全盛期以降、ACの名を存続させる試みは何度も行われてきた。最近では、代表的なスポーツカーのコブラの新モデルがいくつか発表されている。2.3L 4気筒エンジン搭載車、BEV(電気自動車)仕様に加え、V8ガソリンエンジン搭載の378スーパーブロワーが販売中だ。ただし、このエンジンはフォード製V8ではなく、シボレー製のLS3エンジンであることに注目したい。
アラシュ・モーター・カンパニー
アラシュのようなハイテク製品を扱う会社が、テクノロジーの中心地として知られるケンブリッジの近くにあるのは、まさにうってつけと言える。同社は従来のガソリンエンジン車に続いて、ハイブリッド車のAF-10、そして最新EVのインペリアムを発表している。
インペリアムは、車重1150kg以下、600kWのモーターを1基、2基、4基から選択できる電気駆動のハイパーカーだ。ボディはすべてカーボンファイバー製。75台のみ生産される予定だが、価格はまだ決まっていない。既存のAF8は65万ポンド(約1億円)から、AF10は250万ポンド(約4億円)からとなっている。
エアロ・サイクル・カーズ
イーストサセックス州に拠点を置くエアロ・サイクル・カーズ社は、2007年から三輪車を生産している。クラシックな見た目のマーリンは、前2輪、後1輪のスポーツ走行にこだわったモデルで、3995ポンド(約65万円)のキットから自分で組み立てることができる。
マーリンのパワートレインはモトグッツィの二輪車用Vツインエンジンで、チェーンドライブではなくシャフトドライブを採用している。広さやスタイルなど、顧客の好みに合わせて細部を調整可能だ。
アルクラフト・モーター・カンパニー
アルクラフト・モーター・カンパニーに在籍する面々を見ると、成功する運命にあるように思える。デイヴィッド・アルクラフト氏が率いる同社は、チャールズ・モーガン氏、マシュー・ハンフリーズ氏、ローランド・チェリー氏といった優秀な人員を集めている。彼らの目標は、EV用の「スケートボード」プラットフォームを作ることである。
初期デザインとして、4人乗りのスポーティなクーペが公開されている。アルクラフトは、最高のパフォーマンスを実現するために、英国の技術の粋を集めて重量を最小限に抑え、効率を最大限に高めることを目指すと述べている。カーボンファイバー構造、1回の充電での航続距離640km、0-100km/h加速3.8秒など、掲げる理想は決して低いものではない。
アレクサンダー・デニス
アレキサンダー・デニスは、2004年に2社(アレキサンダー社とデニス社)が合併してできた会社で、スコットランドのフォルカークとラーバート、イングランドのギルフォードに拠点を持つ。合併後、プラクストン社を買収し、現在では英国最大のバスのコーチビルダーとなっている。
アレキサンダーとデニスは、ともに二輪車の製造からスタートし、その後、大型車へと移行していった。デニスの消防車は英国でよく使われていたし、アレキサンダーが1961年に発表したバス「Yタイプ」は大ヒットを記録した。現在では、ディーゼルハイブリッド・バスや完全電動バスを生産し、都市交通の排出量ゼロを目指している。
アラード
シドニー・アラード氏は、戦後間もない時期に、米国製の大排気量V8エンジンの利点をいち早く見出した。彼はこのV8をスポーツカーに使用し、また英国のドラッグレースにも早くから参加するなど、米国から輸入したエンジンに魅了されていた。
アラードはしばらくの休眠を経て、1953年のル・マン24時間レースに出場したJRの生産を再開する。シャシーナンバーはオリジナルから引き継がれ、キャデラックの5.4L V8エンジンと3速MTを搭載。オリジナルとの唯一の違いは、ロンドンのクラップハムではなく、グロスターシャーで製造されていることである。
アルヴィス
アルヴィス・カー・カンパニーは、創業の地コベントリーに近いミッドランド地方のケニルワースに拠点を置いている。1919年に設立され、1994年に社長のアラン・ストートが会社を買収し、現在の事業が開始された。以来、戦前・戦後のさまざまなモデルを再導入している。
その中には、バンデン・プラス・ツアラーやベルテリ・スポーツクーペの4.3L仕様もあるが、燃料噴射装置や6速トランスミッションなど現代的な装備が施されている。ただし、すべて会社に残るオリジナルの図面を使って生産されている。
戦後のコンティニュエーション・クーペとコンバーチブルには、1960年代から保管されていた純正オールドストックエンジンが搭載されているが、使用前には綿密なチェックが行われるなど、さらなる進化を遂げている。アルヴィスの新車価格は25万ポンド(約4000万円)からで、ハンドビルドのため完成までに2年かかるという。
アリエル
アリエルは、家内工業的な英国の自動車産業におけるサクセスストーリーの1つに数えられる。サマセット州の田舎町を拠点とする同社の自動車および二輪車のラインナップは、決して退屈なものではない。アリエルは1870年に自転車製造を始め、2000年のアトムで世界にその名を知らしめた。
アリエル・アトムはミドマウントのローバーKシリーズエンジン(最高出力193ps)と小型軽量なデザインにより、素晴らしいパフォーマンスを実現した。後に320psのスーパーカーや、オフロード向けのノマドに発展している。
また、ホンダ製のエンジンとツインクラッチを搭載したエースというバイクによって、二輪車メーカーとしても再び認知されるようになった。そんなアリエルの最新作は、880kWのモーターを搭載し、0-97km/h加速2.1秒を実現する完全EV「ハイパーカー」である。
ASモータースポーツ
英国の自動車産業は、歴史的なスポーツカーの再現を得意としており、ASモータースポーツのR1ル・マン アストン マーティンDB3Sは、まさにその極致と言えるだろう。外見からはわからないが、ボンネットの下にはジャガーXKエンジンが搭載されている。
R1ル・マンは、ノーフォーク州にある同社の拠点で受注生産され、すぐに乗り回せる状態で納車される。価格は、グラスファイバー製ボディの車両で約9万ポンド(約1400万円)から、手作業で成形されたアルミニウム製を選ぶと13万ポンド(約2000万円)になる。
アストン マーティン
アストン マーティンほど、血統書付きのブルドッグのような英国車はない。同社は1台限りのスーパーカーに「ブルドッグ」という車名をつけたほどだ。
1914年、ライオネル・マーティン氏とロバート・バンフォード氏によって設立されたアストン マーティンだが、1922年まで自動車を生産することはなかった。第二次世界大戦後、実業家デビッド・ブラウン氏の下で比較的繁栄を享受していたアストンは、1970年代の燃料危機をきっかけに低迷し、1974年にはわずか20台しか販売できなかった。
デビッド・ブラウン時代には、ロンドン近郊のフェルサムからニューポート・パグネルに移転し、DBシリーズで成功を収めた。現在はゲイドンを本拠に、ウェールズのセント・アサンにも生産拠点を持ち、現在の販売台数の半分以上を占めるDBXを生産している。ニューポート・パグネルの工場は、現在も同社のワークス・ヒストリック・クラシック事業のために使用されている。
アタランタ・モーターズ
アタランタ・モーターズは、1936年に最初のモデルを発売したとき、自動車産業のエリートの仲間入りをするはずだった。しかし、ロンドン近郊のステインズに拠点を置く同社は、わずか22台を完成させたところで、戦争によって生産が停止された。このモデルは、現在ではコレクターに絶大な人気を誇っており、これが2011年に同社が復活するきっかけとなった。
現代のアタランタはオックスフォードシャーで生産されており、見た目は1930年代だが、中身は別物である。シャシーはアルミ複合材でできており、ディスクブレーキを備え、エンジンはフォード製の2.5L。価格は15万ポンド(約2400万円)から。
BAC
BAC(ブリッグス・オートモーティブ・カンパニー)は、イアン・ブリッグスとニール・ブリッグス兄弟によって設立され、2011年にスポーツカー「モノ」を発表した。サーキットにも対応したロードカーではなく、シングルシーターのサーキット専用マシンを開発したところ、偶然にも公道走行が可能だったという。ケータハム・セブンが大人しく見えるようなクルマだ。
リバプール近郊に本社を置くBACは。モノのコンポーネントの95%を英国内で調達していることを誇りとしている。パワートレインはミドマウントのフォード製4気筒エンジンで、2020年には最高出力350psの2.5Lエンジンを搭載したRモデルを導入した。
ベントレー・モーターズ
現在はドイツ資本だが、ベントレーの生産拠点は第二次世界大戦以降変わらず英国のクルーにある。当初はロンドン北部のクリックルウッド、ロールス・ロイス傘下では一時期ダービーに拠点を構え、年間数百台規模で生産を続けてきた。戦後のモデルのほとんどはロールス・ロイスをベースにしていたが、フォルクスワーゲンの傘下に入ると、全てが変わった。
新型コンチネンタルGTとW12エンジンが導入され、1000台単位で自動車を生産するようになったのだ。それ以来、過去を振り返ることはなかった。2021年には、ベンテイガとフライングスパー(写真)にハイブリッドシステムが採用されたこともあって、1万4659台という記録的な販売台数を達成した。
ボウラー・モータースポーツ
ボウラーは現在、ジャガー・ランドローバーのSVO(スペシャル・ビークル・オペレーションズ)部門に属しているが、その歴史は1984年にまでさかのぼる。オフロード競技用のコブラに始まり、その後ランドローバー・ディフェンダーのような外見の高性能車トムキャットが大人気となった。
会社が成長するにつれ、レースにも意欲的になった。その結果、悪名高いダカール・ラリーに参戦し、2005年には全メーカーの中で最も高い完走率を誇るチームを結成するまでに至った。
ブラッドショー・エレクトリック・ビークル
ブラッドショーは、英国最大の産業用EVメーカーである。そのほとんどが空港や倉庫で使用されるため、飛行機で英国を訪れた際、知らず知らずのうちに目にしていることも多いのではないだろうか。
一方で、都市部向けの小型の電動商用車も製造している。その1つ、グーピルG6は1回の充電で150km走行可能で、ドロップサイド、バン、ティッパーなど複数のボディタイプがある。また、1975年の創業以来、イングランド東部のピーターバラを拠点とする家族経営の企業でもある。50人以上のスタッフを雇用し、これまで数千台の車両を生産している。
バックランドB3モーターカンパニー
高い水準で三輪車を生産してきたバックランドは、ウスターシャー州の一軒家で友人3人が運営している。フォードの4気筒エンジンを搭載し、チェーンで後輪を駆動する三輪車は、少しずつアップデートが施されている。
この三輪車は、車体全体を傾けて後輪とサスペンションにアクセスするユニークなボディピースを備えている。決して安物ではなく、出来栄えは素晴らしい。これまでに23台が販売されたが、今後もさらに増えることだろう。
ケータハム
1959年、グラハム・ニアーン氏がロータスのスポーツカーを販売するためにケータハム・カーズを設立したとき、この会社が今後どれほどの発展を遂げるか、想像もつかなかっただろう。1973年、ケータハムはロータス・セブンの権利を買い取り、今でも親しまれているシリーズ3の形状で販売するようになった。
やや不格好なシリーズ4は、ケータハムではわずか40台しか製造されず、後継のスーパーセブンも年間100台程度しか売れなかったが、サーキットでの走行性能や独自のレースシリーズに注目が集まるようになり、売上を伸ばした。現在、ケータハムのセブンは全モデルで年間約500台販売されており、自宅で制作できるキットカーも人気を博している。
ケイトン
英国ではクラシックカーの典型となっているオースチン・ヒーレーのレストモッドを手掛けるケイトン。少量生産車、プロトタイプ、ワンオフ車を製造し、自動車産業で大きな影響力を持つインビサジ・グループ(Envisage Group)に属している。
このような技術力により、ヒーレー100を改造したヒーレー・バイ・ケイトンが誕生した。ダリル・スクリブン氏率いる開発チームは、オリジナルのエンジンをベースにした最高出力187psの3.0Lを搭載したマシンを製作。非力に思えるかもしれないが、わずか920kgの車重の中では十分なパフォーマンスを発揮する。ヒーリー・バイ・ケイトンは25台のみ生産され、価格は47万4000ポンド(約7600万円)から。
キャタピラー
キャタピラーは米国の会社だが、55年以上にわたって英国で機械を作り続けているため、ここで取り上げたい。同社は現在、英国内に16の拠点を持ち、ディーゼルエンジンからソーラータービンまで、あらゆるものを製造している。車両分野では、建設業向けのレスター工場と、土砂運搬用のアーティキュレートトラックを製造するピーターリー工場の2か所を稼働させる。
中でもレスター工場は、キャタピラーが米国以外の国で最初に設立した工場である。英国で製造された車両の数は明かされていないが、同社によると、世界中で400万台以上の同社製品が使用されているという。
CCM
CCM(クルー・コンペティション・マシン)は、オフロードバイクのメーカーとしてよく知られている。現在のスピットファイア・シリーズは、外観こそカフェレーサーのようなスタイルだが、コアとなる600cc単気筒エンジンは、その伝統を今に伝えている。CCMは軍用バイクや四輪バイクも製造しており、顧客にオフロード走行のライダートレーニングも提供している。スピットファイア・シリーズには幅広いオプションが用意され、好みに合わせてカスタマイズすることができる。
チェシル
ポルシェ356スピードスターのような見た目のこのクルマは、ミッドランド地方の出身である。チェシルは現在、ウェスト・フィールドスポーツカー社の傘下に入っているが、それ以前は社名の由来となったドーセット州(チェシル・ビーチという砂浜が有名)で製造されていた。
最高傑作とみなされているレプリカ、チェシル356スピードスターは、キットを購入して自宅で作ることも、完成車として購入することも可能だ。1991年以来、500台以上が生産され、現在では航続距離320kmのEVも販売されている。
コンバット・ビークルズ
コンバット・ビークルズは、その名の通り軍用車メーカーであり、現在約4000台の車両が英国陸軍で運用されている。それほど多くはないように思われるかもしれないが、チャレンジャー戦車、ウォーリア歩兵戦闘車、ティリー装甲車などを考えると、相当な数であることがわかる。
BAEシステムズのグループの一部であるコンバット・ビークルズは、フィルトン、ニューカッスル、テルフォードに工場を構えている。チャレンジャー戦車は、1200psのV12ターボディーゼルエンジン、6速の前進ギアと2速の後退ギアを搭載。最近のアップグレードプログラムにより、2035年まで使用される予定だ。
クロスレ
最も古い歴史を持つレーシングカー・コンストラクターの1つであるクロスレは、1957年以来、美しいマシンを作り続けている。創業者のジョン・クロスレ氏は、才能あるドライバーで、クラブレースで自分のマシンを使って活躍していた。
北アイルランドに本拠を置く同社は、現在3種類のモデルを展開している。「トライアル」はホンダ製エンジンを、「9S」は最高出力220psのフォード製ゼテック・エンジンを搭載する。「HTP」は、9Sをベースにヒストリックレースのレギュレーションに合わせて作られたモデルで、BMWまたはフォードのツインカムを搭載している。
デア
ジネッタを設立した4人のウォークレット兄弟のうち2人(アイバーとトレバー)が、初期のスポーツカー「G4」を再び世に送り出すために立ち上げたのがデアだ。すぐに「G12」も追加され、日本への輸出だけでなく、英国内にも販売されるようになった。
現在までに約150台のG4が生産され、そのほとんどが130psのフォードの1.8Lゼテック・エンジンを搭載している。ミドマウントのG12は、フォード・デュラテック・エンジンを使用し、最高出力は300psとなる。いずれのモデルも、優れたハンドリングが設計思想の基本にあり、1960年代のクラブレーサーを彷彿とさせる非常に美しいボディを持っている。
ダリアン
エイドリアン・エヴァンス氏は1967年にダブリアン社(ダリアンではない)を設立し、ロンドンでヒルマンインプをベースとしたクルマの販売を開始する。同社は1983年までさまざまなモデルを生産し、その多くがモータースポーツに傾倒している。そして1984年、ティム・ダフィー氏が経営するダリアン・カーズがダブリアンの事業を引き継ぎ、ウェールズ西部に拠点を置くことになった。
自動車メーカーの本社としては辺鄙な場所だが、生産する車両は主にターマック・ラリーに使用されるため、ダリアンにとっては好都合と言えるだろう。ちなみにラリーでは定期的に好成績を残している。また、1960年代のダブリアンを作るためのキットも販売している。
デビッド・ブラウン・オートモーティブ
その名前からアストン マーティンのDBモデルを思い浮かべるかもしれないが、全く無関係の別会社であり、ニューポート・パグネルではなくシルバーストンのレースサーキットを拠点にしている。しかし、ジャガーをベースとするスピードバックというモデルは、アストンDB5やDB6に限りなく似ている……。とはいえ、これらはハンドビルド車である。
ミニ・リマスタードは、クラシックミニを全面的に改良し、モダンでラグジュアリーなキャビンを実現したモデルだ。しかし、他人とかぶることはまずないとしても、このクルマに7万5000ポンド(約1億2000万円)という値段がついていることに驚く人もいるかもしれない。
デニス・イーグル
世界をリードする英国メーカーの代表格といえば、デニス・イーグル。同社の塵芥車(ごみ収集車)は廃棄物・リサイクル業界の最先端を走っているが、英国人でさえこの会社のことを知る人はほとんどいない。塵芥車用の車体やシャシーなど、年間1000台以上を製造し、世界中に輸出している。
また、デニス・イーグルはエコレクトモデルというEVも販売する。ゼロ・エミッションとほぼ無音の走行を実現し、都市環境での使用に最適とされている。
ドウセッツ・クラシックカー・カンパニー
ドウセッツ社は、アストン マーティンDB4ザガートやマセラティ300Sに影響を受けてクルマを作り始め、コメット、バルケッタなどを販売。最近では、ティーポ184が同社の代表的な製品となっている。同社の代表でテレビ司会者のアント・アンステッド自身がワンオフで製作した車両からインスピレーションを受けたものだ。
ティーポ184は、マツダMX-5(ロードスター)のコンポーネントをベースに、1950年代のアルファ・ロメオF1マシンを彷彿とさせるシングルシーターとしている。スターターキットの価格は1万2075ポンド(約190万円)+付加価値税で、ドナー車のMX-5を調達する必要がある。
ダットン
ティム・ダットン氏という名前は、英国のキットカー業界を少し知っている人なら、誰でも聞いたことがあるだろう。彼は、シンプルで手頃な価格の自作車をベースに一大帝国を築き上げ、1969年から1989年の間に8000台以上を売り上げた。その後、水陸両用車に目を向け、現在に至る。
ダットン・リーフは7代目フォード・フィエスタを、四輪駆動車のサーフはスズキ・ジムニーをベースにしている。どちらも公道走行可能で、陸上から水中、そして水上に戻ることができる。キットカーとして購入できるほか、ウェストサセックス州リトルハンプトンにある同社の拠点で製作を依頼することもできる。ティム・ダットンは2022年末に会社を売りに出している。
イーグルEタイプ
ヘンリー・ハーマン氏は1984年にイーグルEタイプ社を設立し、サセックスの拠点でお気に入りのジャガーを完璧にレストアしてきた。その後、クラシックカーのレストモッドを手掛けるようになり、1991年には現代の水準で製造されたジャガーEタイプを発表。新車当時よりも優れたクラシックカーを作るというアイデアを広めた1人だ。
イーグル社はレストアサービスと並んで、スピードスター、GT、ロードラッグ、ライトウェイトの各モデルを販売している。いずれも生産台数はごくわずかであり、完成まで時間がかかるため、納車7年待ちとなることもある。ライトウェイトの生産には8000時間を要し、価格は約75万ポンド(約1億1800万円)だが、それでも12台しか作られなかったオリジナルのEタイプ・ライトウェイトを見つけて購入するよりも安い。
エレメンタル・カーズ
英国の小さなスポーツカーメーカーの多くがそうであるように、エレメンタル・カーズもまた、田舎の静かな一角にひっそりとたたずんでいる。ジョン・ベグリー氏率いる同社は、ハンプシャー州ハンブルドンを拠点に、最高出力320psのフォード製エンジンをミドマウントしたサーキット走行向けのRP1を製造している。最高速度265km/h、0-97km/h加速2.6秒を達成するという。
フォード製エンジンは車体中央に縦置きに搭載され、ヒューランド製トランスミッションと組み合わされている点が特徴的だ。7万5000ポンド(約1180万円)という価格にも納得がいくし、一般道やサーキットで見かけることも稀である。
ガードナー・ダグラス
ガードナー・ダグラスは、ACコブラのレプリカキットを製造している数社のうちの1社で、特徴は、ラダーフレームではなくバックボーンシャシーを使用していることである。これにより、優れた剛性とハンドリングを実現するとともにボディーの取り外しが容易となり、足回りの整備がしやすくなっている。
ガードナー・ダグラスでは、コブラをテーマにした350というモデルも生産している。ローラT70の見事なレプリカであるGD T70モデルもあり、コブラと同様、大排気量V8エンジンを使用してセンセーショナルなパフォーマンスを発揮している。ノッティンガムシャー州を拠点に、1990年からアンディ・バローズ氏によって運営されている同社は、そのクオリティの高さで好評を得ている。
GBS
ケータハム・セブンのような軽量2シーター・スポーツカーを設計したら、もう満足してしまうかもしれないが、GBS(グレート・ブリティッシュ・スポーツカーズ)は歩みを止めなかった。ノッティンガム州オラートンのGBSは、第2世代のキット「Zero」を開発し、マツダMX-5をベースとしたシングルドナー・モデルも販売している。
自宅で製作可能なキットパッケージに加えて、完成車も手掛ける。レース仕様もあり、パーソナライズの幅は広い。2007年の発売以来、GBSのZeroは500台以上販売されている。
ギブス
ギブスは1994年以来、水陸両用スポーツカーのアクアダを「世界初の高速両生類」と呼んで販売している。ヘッドライトは2代目マツダMX-5からの流用。このほか、さまざまなラインナップを展開する。
海洋救助や会場でのメンテナンス作業などに実用的なハムディンガとフィビアンというモデルも生産している。ハムディンガはマーキュリーV8を搭載、フィビアンはターボディーゼルV8を2基搭載し、最大15人乗りが可能だ。
ジネッタ
ジネッタの名は1958年から存在し、G4やG15など、1960年代から70年代にかけて素晴らしいクラブマン・レーシングカーを生み出してきた。現在では、ローレンス・トムリンソン氏が会社を所有し、リーズの拠点でレーシングカーを生産している。
主力はフォード製4気筒エンジンと後輪駆動を採用したG40。G55は外観が似ているが、最高出力360psのフォード製3.7L V6を搭載している。ジネッタはまた、耐久レース用にG58とLMP3モデルも提供する。公道走行可能なモデルは、現在開発中のアクーラのみで、600psの自社製6.0L V8エンジンを搭載する予定だ。
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みんなのコメント
日本のスポーツカーも、それを使った様々なモータースポーツも
戦後イギリスから多く導入されてきました。
そうしたノウハウの積み重ねが、今の日本のスポーツカーや
モータースポーツに生かされているのだと感じます。