“10cm浮いて走るスポーツカー”新型BMW X4をただのキワモノと見るべきではない
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:望月 浩彦
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:望月 浩彦
2代目となる新型X4のデビューは今年3月のジュネーブモーターショーだった。ベースとなった3代目X3から1年以内での発表だから、X3とX4という兄弟SUVが、今回は初期段階から計画的に並行開発されたことがうかがえる。
で、その前の初代X4がベールを脱いだのは2014年4月のニューヨークショーである。つまり、今回はほぼ4年でのフルチェンジとなる。
4年というモデルライフは昨今の感覚ではいかにも短いが、もともと初代X4はベースの2代目X3がモデルライフ後半にさしかかってから突然変異的に追加されたニッチモデルだった。そんな2台の商品企画をきちん揃えようとすると、こういうタイミングになってしまうのは仕方のないところもあろう。
逆にいうと、新型X4に対するBMWの期待が、わずか4年でのフルチェンジにゴーサインが出るほど大きいということでもある。
初代X4は4年間でグローバルで約20万台を売り上げた。年間で約5万台。ちなみにX3は先代までの2世代13年間でおよそ150万台だから、単純計算で年間11万台強。この場合の初代X4に対する評価は「X3の半分以下しか売れなかった」ではなく「高級DセグメントSUVの元祖にして世界のド定番であるX3の半分近くも売れた」が正しい。
もっというと、初代X4と同じ年に発売(発表は前年)されたポルシェ・マカンは4年間で35万台の大ヒット商品となっている。そして、そうしたマカンやX4の成功にあやかろうと、メルセデスも後発でGLCクーペを投入して、さらにこれらに競合するQ6が開発中であることも、アウディは認めている。
つまり、高級DセグメントクーペSUV市場は、今こそが勝負どき。X4がいかにその元祖の1台でも、ここで出し惜しみなどしていては生き抜けない……という判断なのだろう。
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