今度のEクラス クーペに、CクーペにもSクーペにもない魅力はあるか?
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:メルセデス・ベンツ日本
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:メルセデス・ベンツ日本
既に春の陽気を漂わせるバルセロナ空港の駐車場に、整然と並べられた新型「Eクラス クーペ」をひと目見た瞬間、「なるほど」と、ひとりごちた。 なぜならば既に「Cクラス クーペ」が存在し、その上には「Sクラス クーペ」がある。その間を埋めるほど、クーペのラインナップは必要なのか? と思っていたし、これまでの歴史を振り返れば、先代のEクラス クーペはCクラスベースだったし、クーペ自体がCとEの間に置かれる位置づけだったからだ。
しかし、ひと目見た瞬間に、その伸びやかで美しいスタイリングと、仕事にもプライベートにも使えるギリギリの汎用性を雰囲気として備える辺りに、なるほどと思えた。事実、Cクラス クーペではビジネス臭は薄く、Sクラス クーペは浮世離れ感がある。そう考えると、 Eクラス クーペは実に絶妙な落としどころにあるモデル、と言えるわけで、ここが納得感の最大の理由となる。
それにしても目を引くのはサイドから見たときの伸びやかさだ。以前のEクラス クーペもそうだったが、Bピラーがないゆえにウインドウグラフィックはルーフに沿って綺麗な円弧を描いている。そしてもちろん、ルーフラインの美しさも言わずもがな、だ。
だが、今回のEクラス クーペで最大の特徴といえるのは、セダンにはあったボディのサイドを走るキャラクターラインが、すっかり消滅したことだ。セダンではフロントフェンダーからサイドドア、そしてリアフェンダーへと明確なキャラクターラインが存在しており、それがショルダーラインを際立たせていた。
しかし、クーペではその「線」が消滅して、「面」によってショルダーラインを作り上げている。これについて担当デザイナー氏は、「クーペというモデルだからこそ、純粋な彫刻のような表現を用いた」という旨の発言をしていた。そして話の中では「purity(純粋さ)」という言葉が頻繁に使われていたのが印象的だった。
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