A6アバント登場。本命グレードはどっちだ?
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:菊池 貴之
今回2グレードを乗り較べることができた中で、圧倒的に好印象だったのは3.0TFSIクワトロである。まず良いのは、やはりエンジン。44.9kg-mという最大トルクは強力で、どこから踏んでも即座に望み通りの加速力が得られる。それでいて吹け上がりも爽快。その緻密で澄んだフィーリングは、良い機械を操っているなという感動に満ちている。
快適性も上々と言える。サスペンションは硬めの設定で姿勢変化を抑えているが、動きはしなやかで、時にフロアかサスペンションのどこかでブルッという感触を伝える以外は上質な味わいを示す。ステアリングフィールも洗練されていて、気持ち良くコーナリングすることが可能だ。
では2.8FSIクワトロはと言えば、まずエンジンはスムーズではある。ライバル達が直列4気筒ターボ化している中で、これはアドバンテージかと思わせるのだが、いかんせん全体にパンチが無い。いきおいアクセル開度は大きめに。たとえば料金所で一旦減速してからの再加速、高速道路への合流といった場面で、「こんなに踏まなきゃいけないの?」という感じなのだ。おかげで走らせていても、3.0TFSIクワトロより疲れ感は大きい。
乗り心地も芳しくなかった。試乗車はオプションの20インチタイヤを履いていたから、おそらく主因はそれだろう。当たりは柔らかくないのに路面のうねりや凹凸に盛大に煽られるし、ステアリングの手応えにも雑味が出る。ロードノイズも大きく、このセグメントのクルマへの期待値に届いていない。
こうした印象は実はセダンと一緒である。高いグレードほど良い。アウディのいつもの方程式は健在であった。
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