肉食系SUV、メルセデスML63AMGの実力!
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:メルセデス・ベンツ日本
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:メルセデス・ベンツ日本
メルセデスでもっとも売れているSUVのMクラスは昨年フルモデルチェンジした。その新型車に乗る前に、私は早くもAMG版MLの試乗会に参加することになった。新しいMLを知らずしてAMGに乗ったわけだが、「パワフルなエンジンと強靱な足回りはAMGらしいが、ベースモデルのしなやかさも失っていない」とチーフエンジニアは言っている。カリフォルニアの高級リゾート地で開催されたML63AMGの試乗会をレポートしよう。
MLはメルセデスの中でもっともアメリカを意識して企画されたモデルだ。ピックアップで育った人達にとってはSUVこそが豊かなカーライフを実現するファミリーカーである。キャンピングカーやボートを牽引してリゾート地に向かう光景はアメリカでは当たり前で、しかも都市部で使ってもメルセデスのセダンと遜色ない快適性も重要なのだ。
そのためにメルセデスはアラバマに生産工場を建て、MLはアメリカで生産される初めてのモデルとなった。当然、今回テストしたML63もこのタスカルーサ工場で生産されるが、AMG専用エンジンは別だ。AMGでは「一つのエンジンを一人のメカニックが組み立てる」というコンセプトがあるので、ドイツのAMG本社で手作りで用意されるエンジンをアメリカの工場に直送するのだ。
ML63はCLS63などと同じく5.5リッターのV8直噴ツインターボを搭載する。もちろんAMGの専用開発で、90度のVバンク内に水冷式インタークーラーをコンパクトにまとめている。最高出力は525ps、最大トルクは700Nmと強烈で、文句なくSUVとしては最強のパフォーマンスを発揮する。さらにパワーアップした「パフォーマンス・パッケージ」も用意され、ターボのブースト圧やカムシャフトが変更されて557ps/760Nmに増強されている。
ギアボックスは7速トルコンATを搭載。ロボタイズしたクラッチタイプのギアボックスを使わない理由は、キャンピングカーなどを牽引するため、トルコンATのほうが有利というわけである。
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