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VWの新スモール、up! 欧州初乗り、印象は?

up!のネーミングと狙い

「濃縮されたエスプレッソのような…」という表現を聞いて素直になるほどと思えた。このクルマが同社の最小であることを小さなカップに例え、その中身の濃さを「品質や使い勝手、デザインなど、あらゆるものがVWである」という飲み物で表現したわけだ。up!は確かに隅から隅までVWのDNAを感じる仕上がりだった。

up!の出自はかつてVWの最小モデルであったルポの後継という位置づけに端を発している。事実ルポの綴りはLUPOで、LとOを取るとそこにup!がある。実はこの言葉遊びは当時VWが好んで用いていたもので、現行モデルとして復活したシロッコがデビューする前のショーモデルでは、SCIROCCOの綴りの是後2つのSCとCOを取ってIROCと名付けていた経緯がある。

それはさておきup!は当初、リアエンジンを搭載した新世代コンパクトという成り立ちを持っていた。そしてその影には、あくまで予測だけれども、壮大な話が横たわっていたという。

最近ではあまり表舞台に姿を見せないが、VWグループを手中に収めるフェルディナンド・ピエヒがup!に並々ならぬ想いを寄せている…という噂が当時はあった。

誰もが知るようにフェルディナンド・ピエヒは今、VWグループの全てを手にしている。他に欲しいものなんて…実はピエヒは自らが名車を生み出すことを欲していた。なぜならピエヒは技術者として名を馳せたしその後もVWグループをここまで大きくして様々なブランドを手に入れたが、VWビートルやVWゴルフといった傑作大衆車は生み出していない…そこにup!は重ね合わされていた…とも言われていた。つまり、コンセプト当時はビートルやゴルフに並ぶVWの新たなアイコン…と言われた。

ただ、その後up!は前輪駆動を採用した同社の最小モデルとなり現在に至る。とはいえ野望の火は消えていない。事実VWはこの試乗会で、「up!は今後は派生モデルが登場するのに加え、他のブランドにも派生していく可能性もある」と。ならばこのクルマ、今後どう変化するのかが楽しみでもある。

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