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“素”のパナメーラ V6エンジンを骨の髄まで!

ライバルと全く異なるアプローチ

名車911を核に、ミッドシップ・オープンスポーツである「ボクスター」、ミッドシップ・スポーツクーペの「ケイマン」、SUVの「カイエン」と、魅惑的なモデルを揃えているポルシェ。そして…第5のモデルとして昨年販売が始まったのが「パナメーラ」だ。パナメーラに与えられた役割は、ズバリ「メルセデス・ベンツ SクラスやBMW 7シリーズといった高級4ドアセダンからユーザーを奪うこと」にある。

パナメーラの居住性は高い。後席は広く、大柄な大人4人が快適に寛げるし、ラゲッジルームには、小振りのタイプなら、という注釈が付くもののゴルフバッグが4個収まる。さらに、リアシートを倒せば広大なラゲッジスペースが現れる。

そうはいっても、パナメーラをセダンと呼ぶのはちょっと無理があるのでは? と思う人も多いはずだ。そのルックスは、エンジン、キャビン、トランクという3つの箱からできた3ボックススタイルとは明らかに異なる。低いノーズから続くフロントシールドは強く傾斜しているし、下半身のボリュームに対してキャビンは明らかに小ぶり。加えて、ボディ後半部の造形がユニークだ。ルーフラインをなだらかに傾斜させ、リアエンドへとつなげる手法は「セダン」というより「ファストバック」という表現が相応しいもの。斜め前方の特定の角度から眺めた場合のみ、若干だがノッチバック的な雰囲気があるものの、それ以外の角度から見れば完全にファストバックである。

「ライバルはSクラスや7シリーズ」というのはポルシェ自身のコメントだ。にもかかわらず、なぜパナメーラはライバルのような、セダンの基本である3ボックススタイルを採用してこなかったのか? この背景には、自社ブランドへの絶大なる自信と、入念なトレンド分析がある。

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