高性能車を狙い撃ち! トーヨー・プロクセス1
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:篠原 晃一、トーヨータイヤジャパン
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:篠原 晃一、トーヨータイヤジャパン
トーヨータイヤから、かなり攻め込んで造り上げられたタイヤ「プロクセス1」が発売されている。プロクセスとはそもそも、トーヨータイヤがリリースするハイパフォーマンスタイヤのブランドで、欧州や北米でも販売されるグローバル戦略タイヤ。平たく言えば、ブリヂストンのポテンザや、ヨコハマタイヤのネオバに相当する。そのプロクセスのなかでも、このタイヤは、最高レベルのドライパフォーマンスを持ったフラッグシップタイヤというわけだ。
コンセプトに掲げられたのは、サーキットでの高い運動性能と、街中での快適な静粛性や乗り心地を兼ね備えること。冒頭で攻め込んで造り上げられたとか、スポーツタイヤであるプロクセスシリーズの最高峰モデルと書いたので、スポーツ性特化のタイヤと勘違いした方も多いと思うが、実は快適性の両立も狙った贅沢なタイヤ。では、なぜ攻め込んだと書いたのか?
まず注目すべきは、ターゲットとなる車種を明確に絞り込んでいること。通常プロクセス1のように、アフターマーケット市場に向けて造られるタイヤ(リプレイスタイヤ)は、サイズラインナップを豊富に取りそろえて適応車種を広げるのが常。だがこのタイヤのラインナップサイズは、全6種類しかない。ターゲットに掲げられたクルマは、ポルシェのボクスターSやケイマンS、カレラシリーズそしてアウディR8などだ。このような適応車種を明確に絞りこむ造りは、タイヤに興味を持ってもサイズが無いので手にできない方を増やすが、逆に言えばこれら適応車種に乗っている方にとっては嬉しいこと。なぜなら、クルマとの相性を考慮して性能追求されたOEMタイヤ(新車装着タイヤ)のようなスペシャリティタイヤとして仕上げられるからだ。
その典型的であり興味深い造りが、フロントタイヤとリアタイヤで異なる構造をしていること。その狙いは、そもそもハンドルを切って角度が付くのはフロントタイヤだけであり、このことからもリアタイヤとは要求される性能が異なる。しかもターゲット車種のようなハイパフォーマンスカーでは、太いエンジントルクを路面に伝えるためのトラクション性能がリアタイヤには強く要求されるので、フロントタイヤとの性能要求はさらに大きく異なってくる。
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