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新型カイエン海外試乗 ポルシェらしさはあるか

大幅な軽量化

果たして、“どれほど”ポルシェか?

先日の富士スピードウェイで試したトップ・オブ・ポルシェ、911ターボの余韻冷めやらぬまま、ポルシェのライプチヒ工場で新型カイエンと対峙し、そう思った。

ご存知のようにカイエンは近年のポルシェ躍進の立役者である一方、VWトゥアレグやアウディQ7とメカニズムの多くを共用して誕生した経緯がある。もちろん先代はそれでもなお、「らしさ」を表現したが、クルマづくりに効果・効率・共用が強く求められるこの時代にあって、果たしてどれだけポルシェでいられるのか? が気になる。

が、往々にして試乗記書き出しでのこの手の心配は、中段以降で「杞憂だった」が相場。なので早々に結論付けるとやはり杞憂だった。しかし、意外だったのは新型における“ポルシェ度”を僕が最も強く感じたのは、今回の目玉であるハイブリッドだったこと。

その意味でも今回の主役はハイブリッドだが、まずは新型カイエン・シリーズの特徴と非ハイブリッド・モデルについて話を進めよう。というのも確かに存在としても数値で見てもハイブリッドの効能は大だが、それはシリーズ全体における地道な積み上げがあるからこその話だからだ。

新型カイエンは先代比で最大23%も燃費低減を達成したが、そうした数値を影で支えるのが軽量化技術だ。全長で48mm、全幅で11mm、全高で6mm、ホイールベースで40mmとサイズアップしたにも関わらず、カイエン・ターボで先代比-185kgを達成している。その手法は主に、トレンドである高張力鋼板を巧みに用いたことによるが、これまで以上の強度を得つつボディだけで111kgの軽量化に成功している。

もともと重いんだからマッチポンプだって? でも、お腹を気にしつつもお酒やお肉が我慢できない自分に比べ、ダイエットに成功して引き締まったボディの他人って尊敬できるし羨ましい。それに軽量化が燃費削減に効くのは確かな話だし、何よりこの手法が後で述べる“らしさ”の重要な要素なのだ。

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