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BMWの新種、5シリーズグランツーリスモに試乗

異質?新鮮? BMWの新種

これまでに数え切れないほどBMWに試乗してきたけれど、5シリーズのグランツーリスモほど注目されたモデルは他にない。市街地を走っていて周囲からの視線を感じるだけではなく、駐車場で声をかけられることさえあった。40歳前後とおぼしき男性が「このクルマってBMWなんですか」と質問をしてきたのだ。クルマに詳しそうではなかっただけに、エンブレムを見てBMWだとは分かっても見慣れていないモデルに驚いていた様子だった。そして、強い関心を示しながら室内を覗き込んでいた。

確かに、グランツーリスモのフォルムは多くの人が見慣れているBMWのどれにも当てはまらない。いや、BMWに限らず他のブランドにおいてもだ。つまり、どのカテゴリーにも属さないまったくの新種と位置づけていい。セダンでも、ワゴンでも、クーペでも、SUVでもないけれど、そうしたカテゴリーの特徴を巧みに織り込んでいる。BMWを見慣れているというよりは、ある種の先入観さえ抱いていたリポーターの目には当初こそ異質な感じがした。でも、そうではない人にとっては直感で新鮮な印象を抱くのだろう。

ボディサイズは、全長がジャスト5000mmで全幅は1900mmに達する。しかも、全高が1500mmを大きく超えるので前方投影面積は7シリーズ以上となる。それだけに、かなり大柄に見える。とはいうものの、いたずらに大型化させたわけではなく、全幅を拡げすぎず1900mm以内に納めたことについては日本市場の意向が反映されているという。

しかも、低速域では後輪を前輪に対して逆側に自動操舵させる(ただし3km/h以上)インテグラル・アクティブ・ステアリングを標準装備。そのため、最小回転半径は3シリーズなみの5.5mとなり市街地での取り回しは意外なほど容易だ。なおかつ、ルームミラー越しの後方視界はお世辞にも褒められないほど狭いけれど、モニターにカメラによる後方画像とソナーによる距離ガイドが表示され、サブ画面には俯瞰による車両周辺の画像の表示も可能なので車庫入れなどの際には扱いやすささえ感じるほどだ。

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