新型グランドボイジャー 元祖ミニバンに理由あり
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:荒川 雅臣
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卵のように丸っこいスタイリングが特徴だった先代から一転、新型グランドボイジャーの素直にスクエアなスタイリングは、ある意味で“原点回帰”がモチーフなのだろう。
グランドボイジャーの原点といえば、1984年に発売されたプリマス・ボイジャー/ダッジ・キャラバンである。海外市場で“クライスラー・ミニバン”という車名で販売されて、後にジャンル全体が“ミニバン”と呼ばれるようになる乗用専用設計ピープルムーバーの元祖であり、それまで未曾有の経営危機に瀕していたクライスラーを1車種で再生させた伝説のモデルでもある。これをキッカケに北米でミニバンブームが爆発、それが10年ほどで日本、そしてその後はヨーロッパにも飛び火して、とくにわが日本では「ミニバンでなければ乗用車にあらず!?」ってくらいに定着してしまった。
もちろん20年以上も昔の初代ミニバンと最新のグランドボイジャーは、面の構成も塗装品質も各パーツのフィッティングもまったく異なる。大型の台形グリルも昨今のクライスラーに共通するフェイスではある。しかし、直線基調のシルエットはもちろんのこと、ボンネットフードとAピラーの相対角度、サイドウィンドウ形状、ベルトラインを低めにしたステーションワゴン風のサイドビュー、そしてリアゲート角度…と、スタイリストに初代のイメージを醸し出す意図があったのは確かだろう。
車名の頭に“グランド”がつく車名からもおわかりのように、この新型グランドボイジャーは3mオーバーのホイールベースのロングボディ版となる。北米で“タウン&カントリー”と呼ばれるクライラーブランドの4代目ミニバンにショートボディ版は用意されておらず、かわりにダッジ・キャラバンがショート専用モデルだという。ダッジ・キャラバンは今のところ日本導入予定はないから、日本で販売される新型グランドボイジャーはグランドボイジャーだけ(変な言い方だが)となる。
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