脳髄が溶ける珠玉のV12エンジンを堪能。ランボルギーニ「レヴエルト」がスーパーカーの新基準を打ち立てる
掲載 carview! 文:山田 弘樹/写真:ランボルギーニ・ジャパン 12
掲載 carview! 文:山田 弘樹/写真:ランボルギーニ・ジャパン 12
「Corsa(コルサ)」モードに転じると、ギアが固定される。パドルをクリックするたびにクラッチが“バツン!”とダイレクトにつながり、俄然やる気をかき立てられた。
かっちりとしたブレーキをリリースしながら、ターン。それまで軽かった電動パワステは少しだけ重さを増していたが、基本的にはライトタッチなステアフィールだ。
コーナリングは、とにかく曲がる。アヴェンタドールから始まった4WSはさらにその切れ味を増している印象で、この巨体を呆れるほどイージーに旋回させていく。4WDのプッシュアンダーはこの程度の走りだと皆無で、かといってミッドシップ特有の危うさも感じられない。ちょっと現実離れした軽やかさで、ゲームみたいだ。
こちらのピッチが上がると、インストラクターのウラカンもペースを上げていく。第3セクターの曲がり込んだ複合コーナーではウラカンがやや小回りを効かせていたが、クリップまで我慢仕切れずにアクセルを踏みだしても、フロントのモーターがアンダーステアを消しながら、鋭いレスポンスでノーズを引っ張り上げてウラカンを追撃してくれる。まったくもってクルマ任せのドライビングだが、同時に制御のすごさを見せつけられた。
個人的には、これだけの速さを与えているならもっとステアフィールにリアリティが欲しいし、もっとシートにもホールド性が欲しい。ランボルギーニとして考えると希薄な接地感は、あのしっとりとしたグリップ感が最高だったポテンザスポーツを、ランフラットにしたことが少なからず影響していると思う。
とはいえその裏側では、重量級ミッドシップの挙動をタイヤを含めたシャシーと制御全体で安定させ、あまつさえコーナリングパフォーマンスも高めている。また300km/hオーバーの世界が誰にでも手に入ることに対する安全性の担保として、ランフラットタイヤの採用は大いに頷ける。
もっと核心を突けばこのレヴエルトは、「ウラカンSTO」のようなレーシングスポーツではない。脳髄が溶けてしまいそうなほど素晴らしいV型12気筒エンジンの全てを、心ゆくまで楽しむことに存在価値がある。目をつり上げてタイムアタックすることになど、さほど大した価値はない。
レヴエルトはスペイン語で、“かき混ぜる”という意味のようだ。一方ではそれを「混合」と捉え、新時代のプラグインハイブリッドだと知的に解釈することもできるが、他方でこのご時世に堂々とV12エンジンを作り上げ、モーターをくっつけて1015HPという大台超えを果たし、我々庶民にはまったく関係ない6543万円からという価格を提案するという乱暴者っぷりを言い表しているのだと思う。
それこそが、スーパーカーだ。レヴエルトとランボルギーニには、この調子でシーンをかき混ぜ続けていって欲しい。
(終わり)
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