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姿勢変化を抑えた新型X3は重心の高さが気にならない走りの気持ちよさを得た

姿勢変化を抑える電子制御の賢さ

新世代シャーシが導入された7シリーズから薄々感じてはいたが、今回X3のラフロード走行にて確信できた。この新シャーシでは電子系プラットフォームも大きく進化している。それはトラクションコントロールなどの介入がとても自然であり滑らか。もちろん7シリーズや5シリーズではそれが活躍する場面は雪道など特定の使用環境に限られるだろうが、ラフロードも視野に入れるX3では通常モデルより重宝する場面が多いだろう。

ノーマルタイヤのままでも、下回りを若干擦る場面もある荒れた山岳路をただ走れるだけでなく、気持ちよく走れる。その背景には各操作への素直な反応に加えて、路面環境やグリップレベルをハンドルの重さや振動の変化などでドライバーに的確に伝えてくれるフィードバック能力の高さ、さらに電子制御の賢さがある。もちろん4つのタイヤを最適に接地させるシャーシ性能も見逃せないが、タイヤを滑らそうと思い大胆にアクセルを踏んでも、電子制御を切らない限り派手に滑ることはない。しかも制御されていることに気がつかないほど自然な感覚で、若干タイヤが空転するくらいのレベルでグングン前にクルマを進めてくれる。

これが何をもたらすか。今回テストしたのは未舗装の山岳路だが、想定では雪道を含めて滑りやすい路面などで“これだけ”滑らかな駆動系の制御がなされると、ハンドリングも安定するということ。逆を言えば、荒い駆動系の制御は、その度に姿勢変化が起きて結果として前後の荷重が変化して、ハンドリング面への影響がでて気持ちよく走れない。実はまだ述べていないオンロードでの性能を含めて、X3の凄さはその姿勢変化を極力抑えてきたことにあると感じた。

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