新型ボルボC40に試乗。これからはもうBEVでいい、いやBEVこそがいいのでは?
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:伊達軍曹 41
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もちろん今でも、高回転型DOHCエンジンのアクセルペダルをガツンと踏んで快音を轟かせながら、一般道でも高速道路でもひたすらぶっ飛ばしているドライバーはいる。だが2022年現在、そういったドライバーは超少数派であり、多くのドライバーは(筆者を含めて)基本的には「ジェントルな安全運転」に徹しているはずだ。
で、そういった「最近のきわめて静かなガソリンエンジン(やハイブリッドシステム)でそっと走る」ということに慣れてしまうと、今乗っている車のパワーユニットが内燃機関なのか、それともモーターなのかが一瞬わからなくなるというか、忘れてしまう瞬間が生まれるのである。
だが市街地から高速道路に上り、いろいろな事実を(忘れっぽい体質なため)失念しながらアクセルペダルをガツンと不用意に踏んだ筆者は、ボルボC40 Recharge Ultimate Twin MotorがEVであることを、それもシステム最高出力408psというビッグパワーを誇るEVであることを、即座に思い出すことになった。
アクセルを踏みつけると同時に、まったく比喩ではなく事実として、後頭部をヘッドレストにしたたかに打ちつけてしまったからだ。
まぁとにかく鬼のように速い。そして、そういった速度で巡航したとて重量バランスや車重の重さに起因する不愉快や不安はいっさいなく、誠に爽快な気分でもってドライブを続けることができるのだ。
もちろん、そこには旧来の「吠えるエンジンの鼓動を感じながら疾走する」的なプレジャーはない。
だがプレジャーの質や中身というのは、時代とともに変わるべきものである。「これからのプレジャー」としてはこれも十分アリというか、むしろこの方向を享受しながら楽しむべきなのだろうなと、後頭部をソフトなヘッドレストにぶつけながら筆者は思った。
ピクセルLEDヘッドライト非装着車でも699万円となるC40 Recharge Ultimate Twin Motorは、正直いささか高い。というか、筆者にはちょっと手が出せない。
だが――未試乗ではあるものの――599万円也のボルボ C40 Recharge Plus Single Motorが手元にあれば……もう内燃機関は捨ててもいいのかもしれない。
試乗会からの帰り際、横浜市内のガソリンスタンドに輝く「レギュラー176円/L」というネオンサインを眺めながら、筆者は確かにそう思ったのだ。
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