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メルセデス初の電気自動車EQCの極上の走りと、幾つかの悩ましい課題

極上の乗り心地だが、航続距離などの弱点もある

ただし、2.5トンの車両重量は悪いことばかりではない。マイバッハやロールス・ロイスなど、重量級の車でしか得ることができない重厚で上質な走りを手にしているのだ。まるでタイヤからブロックがなくなったかのように路面を転がるというか、しっとり滑らかで、今まで体験したことのない感覚。大きな突き上げも的確に吸収してドッシリしている。

コーナーではヘビー級の重量が外側タイヤにかかるので、スポーティな走りは得意とは言えないが、高速道路の長距離移動や、街中移動では最高の乗り味をみせる。

ガソリンエンジン車で2.5トンという重量級のクルマをストレスなく走らせるには、V8ターボ以上が欲しい。そうなると相応にボディも大きくなるのだが、EQCは前後に1基ずつ搭載された電動モーターの合計トルクが、8.0L級ガソリンエンジンに匹敵する765Nmを発揮。その結果、ミドルサイズ級で超重量級の乗り味を得て、ストレスのない加速も両立するという、電気自動車ならではの世界があるのだ。

もちろん改善すべき点はある。価格は1000万円オーバーだし、瞬間的な最高出力は300kWと十分だが、常時出せる最高出力は115kWで、高速側の伸びは苦手だ。やはり電動モーターは、街中でこそ活きてくる。ただ、街中だと歩行者を見落とすAピラー周りの死角を改善したい。

重量級ボディは上質な乗り味を出すが、その重さが電気自動車の課題である航続距離を縮めてしまう。軽量化を狙ってGLCとのプラットフォーム共有をやめ、専用シャーシを起こすとなると、価格はさらに上がり、採算が合わないという悩ましい現実が待ち受ける。このままのパッケージなら、一般ユーザー向けにはガソリンモデルのGLCのほうが完成度が高いだろう。

こうした悩みを目の当たりにすると、メルセデス・ベンツでさえ、電気自動車に対してはまだ手探りの状態で、EQCで市場の反響を見ているのが理解できる。それでも、上質な乗り味をミドルサイズで実現したことには拍手を送りたいし、100年以上磨き上げてきたシャーシ技術があってこその完成度だ。ちなみにスポーティ路線で言えば、同じカテゴリーの「ジャガー I-PACE」の完成度に分がある。

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