雪上裏ハイテク試乗会で 隠れたホンダイズム体感
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:本田技研工業株式会社
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:本田技研工業株式会社
最後にオマケ、ホンダオリジナルの除雪機に乗って(使って?)みた。あまり知らなかったが、実はホンダは20年以上も前に除雪機市場に参入し、すぐにトップメーカーとなり、現在国内約50%のシェアを握ってるそうだ。
秘密は得意の小型化と、汎用原動機の世界でいち早く4サイクルエンジンを普及させたことにあるが、最近のポイントはなんといっても世界初のハイテクマシン“ハイブリッド除雪機”。03年に第1世代を発表し、06年に第2世代を発表。小沢はシンプルな小型のスノーラi HSS970iと中型のHSSスノーラi HSM1180iを使ってみた。
ところで除雪機でいう“ハイブリッド”とはなにを意味するかというと、これまたエンジンと電気モーターを併用することにある。だが、使い分けが根本的に違う。クルマの場合、どちらも走行のために使うが、ハイブリッド除雪機の場合、エンジンはパワーが必要な除雪用、つまり雪をかき上げて吹き飛ばすのに使い、モーターはよりスムーズな制御が必要な走行用に使うのだ。とはいえもちろん充電はエンジンによって行うわけで、その部分はクルマのハイブリッドに良く似ている。
さて、スノーラiだが、雪国育ちでも全くない小沢が使ってみて驚いたのは、疲れることだ。最初は楽しいんだけど、そのうちだんだん疲れてくる。なぜならば本体の移動に体全体を使わなくてはいけないからだ。一見、掃除機同様、スイッチポンでカンタンに使えそうだが、道が凸凹してたり、ボディが傾いたり止まったりで結構難しい。特に除雪機能のコントロールより、走行が難しく、止まると全身を使ってボディをズラしたり、ひっぱらなくてはならない。
だからわかりましたね。ハイブリッドの良さが。そう、細かく曲がったり止まったり進んだりをコントロールするには電動が一番なのだ。その上、他社製品では人力でする左右旋回も、ハイブリッドなら左右モーターを反転させることでカンタンに出来るし、特に中級のスノーラiなら、旋回の度合いを変えることも出来る。加え、単なるボディの移動もエンジンを止めてから出来て静かだし、こりゃホンダがシェアトップになるのもよく分かった。
というわけで今回の雪道試乗会。一番感動したのはハイブリッド除雪機だったな。なにしろ“独創技術で人を幸せにする!”というホンダイズムでは今回で一番。というか、逆に今のクルマは成熟し過ぎて、分かりやすく有り難い発明は難しいんだと思った。
これからはやっぱりロボット、あるいは飛行機ですかねぇ、ホンダさん。
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