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新型パッソ&ブーン、女目線の超現実主義!

女性目線のリアルワールドという最適値

シンプル、プレーン、スタイリッシュ…。どうやらテーマはそういうことらしい。

第二世代に進んだパッソ&ブーンは、基本的にオリジナルで提案されたメカメカしさから距離を置く機能美を踏襲している。

幾分四隅の角が削られ、丸みを帯びたが、2ボックスにホイールアーチ部を盛り上げて躍動感を得る。ひと目でパッソ・ブーンの新型だと認識できる造形は、アイコン性(?)という意味では秀逸だろう。もっと表情豊かにデザインで魅せてほしい。そう思える“寸止め感”は、どうやらこのクルマの企みの一部だったようである。

男目線のクォリティコンパクトだと、欧州車に見られる彫りの深さや肉厚な機能美ということになりがちだ。ちっちゃくても濃密にというのは、クルマを憧れの対象として追いかけてきた“オジサン世代”がコンパクトカーに寄せるレゾン・デートルだ。

一方、パッソ&ブーンの場合は、そこ、外してもらっゃちゃあ困るんだよなあ、と思わず我々が拳を握ってしまうところをさらりとやってのけている。従来型進歩主義が入り込む隙のない、女目線の超現実主義的が見え隠れする。

ダイナミック・パフォーマンス? そんな危ない世界には行きません。横滑り防止装置? だから、私は安全運転だと言っているでしょう? 一人で乗ることが多いのに何で風船をいっぱい積まなければいけないの? 固い財布を、正義の名の下に緩めることができると考えるのは、実はかなり恵まれた経済環境に生きる人なのだ。

そういう現実感の中で、パッソ/ブーンは最適値を模索している。頭を切り換えないとリアルワールドで生きている人々の本音に迫ることは叶わない。その意味で、このクルマは相当ヤバイのだ。

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