どっちがキング? 新型アルファードとレクサスLMで価格以上に大きく違う点とは
掲載 carview! 文:ピーコックブルー/写真:トヨタ自動車 111
掲載 carview! 文:ピーコックブルー/写真:トヨタ自動車 111
「キング・オブ・ミニバン」の名を欲しいままにしてきたトヨタ「アルファード」は、2023年6月におよそ8年ぶりとなるフルモデルチェンジを果たすなど、高級ミニバンというカテゴリーのリーダーを独走し続けています。
ライバルのモデルチェンジの噂もちらほら聞こえてきていますが、アルファードが今回のモデルチェンジで王者の座をより盤石にしたのは言うまでもありません。さらに、走りを意識したヴェルファイアもラインアップすることで新たな個性も手に入れました。
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一方、そんなアルファードに“待った”をかける存在となりそうなのが、4月に中国・上海で世界初公開されたレクサスの新型「LM」です。
2020年に登場した初代LMは日本市場へと導入されることはありませんでしたが、新型LMは2023年秋にも日本国内で発売されることが明らかとなっています。
明言こそされていないものの、この両車が基本構造の大部分を共有する兄弟車であることは周知の事実です。かといって、アルファードとLMが単なる「バッジ違い」であるかというとそうでもないようです。
両車にはどのような違いがあるのでしょうか?
>>アルファードってどんな車? 価格やスペックはこちら
>>ヴェルファイアってどんな車? 価格やスペックはこちら
>>LMってどんな車? 価格やスペックはこちら
まず、ボディサイズを比べてみましょう。
新型アルファードのボディサイズは全長4995mm×全幅1850mm×全高1935mmと、日本国内で一般的な機械式駐車場の制限範囲内に収まるサイズであることが意識されています。
一方の新型LMは、全長5125mm×全幅1890mm×全高1955mm(中国仕様)という先代と比べても堂々たるボディを持っています。ただし、ホイールベースはどちらも3000mmと同じ数値となっているため、ボディサイズの違いはエクステリアデザインの違いによる部分が大きいと言えそうです。
>>アルファードのボディサイズ詳細はこちら
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エクステリアを見ると、フロントとリアのデザインの違いが際立っていることは言うまでもありませんが、それ以外では、新型LMのほうがボディサイドに抑揚があるデザインとなっています。
新型アルファードも陰影を強調するボディカラーを採用するなど、ボディサイドが平面的にならないようにする工夫が見られるものの、全幅1850mmという制限があるアルファードに対して、新型LMは全幅に余裕がある分、よりダイナミックなデザインを実現できています。
とはいえ、両車のシルエットがよく似ていることは事実であり、その点で言えば極端な違いは見られません。
>>アルファードの写真(66枚)はこちら
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一方、内装の違いは明白です。
新型LMでは4人乗りのショーファー仕様が設定されている点が新型アルファードとの大きな違いです。さらに、この4人乗り仕様では前席と後席の間にパーティションが設置され、そこに48インチの大型ワイドディスプレイや冷蔵庫などが備わります。
後席に備わる専用の独立シートも、アームレストやオットマンにもシートヒーターが搭載されているほか「温熱感IRマトリクスセンサー」による快適な室内温度の保持など、最先端の機能が多数搭載されています。
そのほか、間接照明による素材の美しさを引き立たせる演出など、さらに細かな心くばりがなされている点は新型LMの大きな特徴と言えそうです。
>>アルファードの気になる点は? みんなの質問はこちら
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ただ、機能や装備といったハードウェアの違いは、両車の違いを表す一側面に過ぎません。
新型アルファードの最上級グレードである「エグゼクティブラウンジ」の車両価格は850万円となっていますが、新型LMの4人乗り仕様は少なくとも1500万円以上になると予想されています。
たしかに、新型LMに備わるパーテーションや大型ディスプレイは、新型アルファードにはない装備のひとつです。しかし、そうしたわかりやすい装備を積み重ねていったところで、およそ700万円という価格差を埋めることはできません。
新型LMの本当の魅力は、「細部までこだわったさりげないおもてなし」とレクサス自身が表現する、目に見えない部分にあります。
たとえば、新型LMでは車内の温度やイルミネーションなど、乗員の好みに合わせて設定できる要素が多く用意されています。それはまさしく「コンシェルジュ」に近く、乗員のこだわりを最大限実現するというコンセプトが感じられます。
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一方の新型アルファードは、メーカーが設定した最高の状態を乗員が享受するというコンセプトが強いようです。
こうした違いは、やはり両車のターゲットの違いによるものと言えそうです。
新型LMのおもなターゲットとなるのは、オーナー企業の経営者などになると見られますが、そうした人々は独自の価値観や強いこだわりを持っているケースが多いと言います。そのため、お仕着せの「高級感」ではなく、自身にとって本当に快適なものを求める傾向が強いようです。
一方の新型アルファードは、より多くの人々をターゲットとしているため、大多数の人が憧れる「高級感」を強調しているようです。そういった意味では、目に見えるわかりやすい部分での機能や装備、そしてコストパフォーマンスの良さが重視されると言えます。
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新型LMはレクサスというプレミアムブランドのモデルであるため、購入時やアフターサービスを含めた部分でもより快適な経験をすることが可能です。
こうしたソフト面の違いまで含めれば、両車の違いは限りなく大きいと言えそうです。しかし、ハードの違いにだけ目を向ければその価格差を埋めるだけの違いを見出しにくいのも事実です。
ハードウェアとしてのクルマを見れば、新型アルファードはトップクラスのコストパフォーマンスを誇る1台であることは言うまでもありません。両車を比較検討する際には、自身がハード面を重視するのか、あるいはソフト面も含めた「プレミアム」を求めるのかが重要となりそうです。
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