レクサス最小の新型クロスオーバーUXに初試乗。期待の走りはどうだった?
掲載 更新 carview! 文:石井 昌道/写真:トヨタ自動車
掲載 更新 carview! 文:石井 昌道/写真:トヨタ自動車
UX250hもハイブリッドとしてはかなり好感触だった。ダイナミックフォース・エンジンは高効率なだけではなく、レスポンスの良さが実感できるのが魅力。従来のトヨタ/レクサスのハイブリッドカーは、アクセルを踏み込んでから望みのトルクが出てくるまでの間が大きかったが、このエンジンと組み合わせるとそんな不満が解消される。
モーターのアシストも素早くなっているようで、下手なエンジン車よりもキビキビと走るぐらいだ。強めの加速時でも、エンジン回転数が先行する、いわゆるラバーバンドフィールは抑えられていてほとんど気にならない。基本は同じエンジンにモーターが加わることもあって、フル加速はUX200よりも鋭く頼もしい。燃費やモーター走行の静かさだけではなく、走りの良さもハイブリッドカーを選択する魅力になったのだ。
UXは静粛性にも力を入れているという。だが、確かにエンジンルームからの音の侵入は少なく、風切り音も抑えられているが、ロードノイズは目立つこともある。綺麗な路面からザラザラとした舗装にかわったときなどにゴー、ガーという音が目立つのだ。絶対的な音量はかなり低いのだが、静かにすればするほど、今まで気にならなかった音が耳につくこともあるから不思議。静粛性はバランスとの戦いでもあるのだろう。
ワインディングでは、ほとんどハッチバックとかわらない俊敏な走りをみせた。そこにはまったくSUV 的な要素はなく、コーナーへ向けてステアリングを切り込めば、じつに素直な感覚で旋回していく。サスペンションの動きがスムーズでステアリングフィールもガッツリとダイレクトというわけではないので、ことさらにスポーティさを強調している雰囲気ではないが、低重心な資質の良さが活きていてロールが少なく安定した姿勢でコーナーを駆け抜けていく。街中や高速道路では優しい乗り心地だったのに、これだけキビキビと走れてしまうことにはちょっとした驚きを覚えた。
都市生活者に最適なモビリティを目指したというUXは、ライフスタイル重視の洒落たモデルではあるが、新世代のパワートレーンとプラットフォームの高いポテンシャルをいかして、最近のレクサスが標榜するスッキリと奥深い走りにも磨きをかけていた。都市部で扱いやすいというだけではなく、週末は遠くまで走りに行きたくなるモデルでもあるのだ。日本での発売予定は今年11月末となっている。
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