【脇役フェラーリの魅力】これなら手が届くかも？と思わせた「モンディアル8」は“ビジネスマンが乗れる”フェラーリだった

モンディアル

フェラーリとしてはボクシーでジェントルなスタイリング

2シーターの308GTB&GTSは、見る者にサーキットの興奮を連想させた。しかしモンディアル8は、はっきりと違った。

全体の印象はビジネスライク。「テスタロッサ」のイメージを伝える格子状のフロントグリル、丸型4灯式リアランプ＆左右4本出しのエグゾーストパイプなど、各ディテールはフェラーリの伝統をしっかりと継承していたものの、ビジネスマンズ・エクスプレスとして日常的に使用できるジェントルなイメージを携えていた。

限られた寸法の中で、実用的な2＋2空間を得るため、全体的にキャビンフォワードに仕上げノーズが短かったのも、実用的な印象を加速させた。

モンディアル8のコンセプトは、ポルシェ「911」などと同様に、ウイークデイにもガンガン使えるスポーツカーだった。

インテリアは開放感を重視した造形で、大型のメータークラスターをインパネ上面にデザイン。空調などの主要コントロール系はコンソール部に集中配置していた。

フロントシートはフラットな形状で、サイドサポートをそれほど強調していない。後席スペースはさすがに子供用だったが、荷物用スペースとして便利に使えた。