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本当のクルマの味とは? 日産キャラバンに思う

カングー&ランクル対抗馬はコレしかない!

若干オヤジの説教臭くなってしまうが、新型キャラバンに乗ると感じるのは、ある種、クルマに乗る“意味”というか“責任”みたいなものだ。どんなに軽いクルマでも車重は1トン前後はするわけで、それで人と接触したらとんでもないことになる。

同様に路面はそもそもデコボコで、普通にタイヤ付けて走っただけでは乗り心地はハネるし、エンジンという存在にしろ、そもそも鉄の中で燃料が爆発しているうるさいものである。

そう、実はキャラバンに乗って一番楽しいのはクルマの味がちゃんとすることだ。最近のクルマは高級セダンはもちろん軽や本来無骨なSUVでさえ、基本的なクルマの味を排除する方向できた。それは「うるささ」であり、「ガタガタする乗り心地」であり、「重すぎるステアリング」などである。

だが、それらを取り去った結果、運転はラクにはなったが、どことなく退屈なモノになってきた。人と携帯電話どころかメールでやり取りするがあまり、相手に人間くささを感じなくなったような状態である。

が、キャラバンには久々にそれがある。それはもちろん荷物を1トン以上積むためだったり、沢山の荷物を真四角の荷室に、キチンと積みやすくしたための結果だ。だが、それが妙に嬉しい。

言わばそれはここ数年、我々が感じているルノー・カングーの妙な楽しさにも似ている。そう、“人”最優先じゃない、“モノ”最優先のクルマのみが持つ喜びだ。一見、人権無視なようで全く逆。あくまでもモノ優先で、その次に人も大切にしてきたら、結果としてどれよりも人臭い、楽しいクルマになってしまったというパラドックス。

それは効率を優先し、原発を進化させたら酷い結果を迎えてしまった日本の社会にも似ている。

結局、人間は人や動物と共存して生きなければいけないし、クルマもまた荷物運びを切り離して考えられない。それが実はモノを作る上での、真実なのかもしれない。新型キャラバンに乗ってたら、不思議とそんなことを考えてしまったのだ。

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