【本当に黒船？】BYD「ラッコ」に立ちはだかる課題と懸念。予想価格200万円強で、国産車を凌駕する存在になれるのか

BYD ラッコ

立ちはだかる大きな課題

仮に低価格を実現できたとしても、「ラッコ」が日本市場で長期的な成功を収めるためには、サービスの信頼性と資産価値への懸念を払拭する必要があります。

BYDの販売・サービス拠点は、現在都市部に集中しており、軽自動車のメインユーザーが住む地方では、整備や修理の利便性が国産メーカーに比べて脆弱です。

軽自動車が日常の足として利用される性質を鑑みると、故障や点検時の迅速な対応や全国的なサービス網の確保は、信頼性獲得のために必要不可欠です。BEV特有の専門的なメンテナンスや、部品の供給体制についても、今後BYDはさらなる強化が必要となります。

また、軽自動車は高いリセールバリューを誇りますが、新規参入メーカーのBEVについては、数年後の市場価値がまだ確立されていません。

特に残価設定ローンを利用する場合、バッテリーの長期的な耐久性データが不足していることや、新興ブランドという要因から、数年後の残価率が保守的に見積もられる可能性が高いのが現状です。

BYD独自のブレードバッテリーの耐久性や市場での評価が、将来的なリセールバリューにどの程度影響するかは、ユーザーにとって重要な判断材料となります。